前回に続き2回目のコラムとなります。
北海道の高橋です。
この場を通じてこんなスノーボーダーがいるのかと少しでも知って頂けると幸いです。
前回は、スノーボードは爆発だ。と言うお話をさせて頂きましたので、今回はもう少し具体的に自分のシーズンについて書こうと思います。
生まれも育ちも札幌。11歳でスノーボードを初めて今年で23年目になります。
札幌盤渓スキー場でスノーボードを始めて、真駒内のハーフパイプで練習していた事は自分のバックボーンになっています。
今はサッポロテイネハイランドから滑って帰れる所に家があります。
札幌の初冠雪の観測は手稲山ですが、家が麓すぎて山頂が見えないので、街に降りて誰かが今日白かったね!とか言われて気づきます。
北海道は早ければ10月末、例年通りで11月には山に滑れる程の降雪があるので初滑りを済ませます。
12月いっぱいは仕事もしつつ本格シーズンに向けて滑り筋をパンプアップ。
Fish&Tips cruising&clinicで開催している初滑りセッション 本格シーズン前にビーコン、サーチ&レスキューでビーコンの使い方等を再確認と情報のアップデートも恒例行事です。
年が明けると3が日を待たずに春まで怒涛のスノーボード三昧の幕開けです。
今年も1月2日から中井孝治君とYoutube「いらっしゃいませ、おじゃまします」の撮影に向かいました。2022から始めて今年で3年目。全国のスキー場を巡る旅を配信しています。これについてはまた詳しくお話ししたいと思います。
年にもよりますが、1月頭は積雪や下地がまだ少ないのでスキー場周辺を滑る事が多いです。
ルスツや手稲、富良野なんかは非圧雪ゾーンが充実していてシーズン初めのパウダーを満喫できます。
1~2月の厳冬期は気温が低いので標高の低いエリアを滑り尽くします。
車で北海道中をグルグル回って良さそうなラインや地形を見つけたら一つずつ潰して行く。
日々ライディングの撮影を行いながら、札幌に戻るタイミングがあれば手稲ハイランドでFish&Tips cruising&clinicを行っています。
スキー場内で地形の遊び方や気持ちよくターンができるようにとか、一緒に滑りながらスノーボードの楽しさが増すようお手伝いしています。
インストラクターではないのでレッスンと言う言葉は使っていません。
トライしたい事も滑り方もコンデションも毎回、皆さん違うので、一番はその日の状況をいかに楽しむかを一緒に探しながらセッションする事。
その中で楽しみがスキルアップに直接つながるようサポートできればと思っています。
興味のある方はぜひ一度ご参加ください!
「スノーボードをもっと楽しむならFISH & TIPS!」
と、宣伝も挟みつつ
1月も後半になると体も積雪も大分仕上がってきます。
ハイクで滑る事が殆どになるので1日3本以上滑れたら多い方になるんですが、こうやってたまに帰ってホームのスキー場を堪能するのも最高です。本当にリフトが有難く感じます。
2月になると大会やイベントの開催が増えてきますね。
北海道では中井君と松井克師さんが主催するMT GOATが行われます。
キロロリゾートの非圧雪コースを使ったフリーライドのコンテストでコース内にジャンプだったりアイテムを作るので毎年お手伝いさせてもらってます。
2月後半から3月は気温もそろそろ上がってくるので、標高の低いエリアはクラックが入ったり雪が死んできます。
なので標高を上げて森林限界の上のアルパインエリアに行く事が増えてきます。
大雪山・十勝岳連峰・羊蹄山とかは有名でしょうか。
ハイクの時間は長くなって行きますが、その分高い所からの絶景を見ながら滑れるのは最高です。
1月厳冬期の利尻山
利尻山登攀中の中井孝治君(右) スキーヤー佐々木慎吾(左)
早朝、日向の出現
4月もアルパインを狙う事が多いですが、下界は春の雰囲気を出してきます。
スキー場のパークなんかもシャバ雪になってきて少し入ってみようかなと言う気持ちになってきます。笑
皆んなでボウルを掘ってビール片手にセッションなんてのもこの時期の醍醐味。
パウダーは少なくなってきますがコレはコレで欠かせません。
ニセコではMAD DOG JAM、キロロではR-JAMが毎年盛り上がっています!
だけどまだまだ高所に行けばパウダーは降る!天気予報を見てチャンスがありそうならすかさず登りに行きます。
そろそろ山からの海にサーフィン行く人も増えてくるでしょうか。
5月になってもパウダーはあります。笑
だけどこの時期になってくると、中途半端にパウダーを狙いに行くと超絶ゴリゴリアイスバーンだったり返り討ちにされるので、潔くシャバ雪を狙いに行くが吉。と中井君に教わりました。笑
熊に返り討ちにされるのは完全にアウトなので、そこの注意も大切です。
フィルムクラストされた塊が風で斜面を流れる音は本当にキレイでシーズンの終盤を噛み締めます。
6月、ここ数年はこの時期にシーズンアウト。
雪のない登山道を数時間登ると山の上に雪渓が現れ、雪解けのこの時期しか見られない大きな池も出現します。
数日のズレで大きく雪解けが進むのでウォーターライドできる水溜りを発見できたらラッキーです。
雪山にしばしのお別れを告げ、サーフィンスイッチに切り替えるのもワクワクですが、7月夏休み時期に入ると北海道やSALOMONのキッズ達の合宿にコーチとして引率します。
カムイ御坂のハーフパイプに行ったりNZやスノーヴァにも行きます。
今は夏にもスノーボードの練習ができる施設がたくさんあるので、キッズ達も練習が続き大変だなと思いながらも自分の時には無かった環境なのでスノーボードの発展を感じます。
その分習い事感覚なのか、御坂で並んでるキッズ達が携帯でゲームしながら並んでる光景を見ると、何かスノーボードの大切なものが無くなってしまったような寂しい気持ちにもなります。
ここだけの話、僕が見ている子にはスネイク(横入り)も技術だ。と教えています。笑
ちょっと愚痴っぽくなりましたが、、、
なんだかんだオフシーズンの練習は10月いっぱいまであるので、あと少しでシーズンインです。
23年前、オリンピックを目指してスノーボードを始めた初期衝動はとっくの昔に使い切りましたが、プロスノーボーダーになりたいと言うざっくりした方の夢は叶って1年を通してスノーボードに触れる事ができています。
家族、スノーボードを探求し続けている先輩達、一緒に滑ってくれる仲間に感謝しています。
雲海を目の前に2本目のピーク
滑り出しに到着した中井孝治君
そんな僕のざっくりした1年の流れでした。
最後までお読み頂きありがとうございました。
高橋 福樹プロフィール
1991年 生まれも育ちも北海道札幌市
小学5年でスノーボードを始め、現在はバックカントリーに魅力を感じフィールドを広げな がらオールラウンドにスノーボードの技術、深みを追求中。
映像、写真作品の撮影も意欲的に取り組み、2022よりYouTube「いらっしゃいませ、おじゃまします」編集長を担当。
スポンサー:SALOMON / Dragon /patagonia
Instagram:@motokitakahashi