前章で言い残した「売り方と買い方」
サーフボードの購入方法は人それぞれなんですが、サーフボードの流通が難しい地域性や通っているサーフショップの方向性によって、出会えるブランドやシェイパーが限られてしまうことがります。
反対に、時代はインターネット上で一流サーフボードブランドのモデル紹介の文言やライダー動画等の情報によって多くの選択肢からサーフボードを買う方が増えているのは一目瞭然だと思います。価格が安いものを選ぶのはインターネットならではですもんね。
各ショップサイトでは価格競争によって、安価な商品がメインの「売り方」、ポイント還元とか特典付きにメリットをもつ「買い方」がしっかりと結びついています。
もちろん、それはそれで、否定するものでもありません。家電・生活用品なんかは特にそうですもんね。
ただ、自分はカスタムベースの商品を販売することが多く、サーフボードサイズに関してはレベル・体型、モデルに関しては、使用するポイント・波のサイズなど、もっと細かい部分で言えば、お客様の要望に合わせたARTWORKのオーダーもあるので、、
なかなかオンライン上だけで、というのは難しい販売方法であります。
また自分が取り扱うサーフボードを買うお客様の多くはそういったカスタム(1点もの) への価値を見出していたり、試乗会や展示会などで、実際に試乗したり、手にしてみたりして、車を買うような感覚の方が多いようです。
やはり価格勝負だけでは到底敵わないと理解しているので、“プラスアルファの満足感” みたいな付加価値を提供できるように様々なプロモーション活動を行うわけです。
では自分が実際にどういったことをするのか?
1.大型展示会への出展
サーフィン業界のシーズンインに合わせ、新商品発表や新規取引の場所として、全国から集まる小売店の方や一般の皆様と直接お話ができ、遠方からでも、新しいものに興味があったり、流行りに敏感な方がご来場されるので、意欲的な販売へと繋がります。
2.試乗会・オーダー会
各地域、各ローカルショップの了承を得た上で、試乗会を行い、直接ボードを手にしたり、試乗をすることができ、オーダーを検討されている方にとって絶好の機会になります。また、場合によってはシェイパーとその場でミーティングをして、ボードをオーダーできたりするので、お客様にとって、とても魅力的な時間になります。
3.大会サポート
各取引ショップ主催の大会等のお手伝い(ジャッジ・MC etc)を通じて、ユーザー様のサーフィンレベルや土地土地の波質などを知ることができ、モデルのチョイスやリコメンドを自分も把握し、お客様が安心してオーダーできるような環境作りをします。
時にはライダーも参加し大会を盛り上げたりします。
4.打ち上げ(飲みニュケーション)
こちらは最もお客様とクロスになれるシチュエーション!なぜなのか、インターネット上では全くありえないこの空間。
トラディショナルスタイル“Sake”は世界共通といっても過言ではない。
この空間をシェアしたもの同士が「同じブランドのウェットスーツを身に纏い、同じブランドのサーフボードで波に乗る」という光景は、はっきり言って少なくはない話。
とあるウェットのセールスマンはテキーラでお客様を口説くという伝説を持つ方もいらっしゃいます(笑)
この他にもまだまだアナログ的なセールスプロモーションはありますが、「売り方と買い方」はそれぞれ。
自分にとってはスタンダード、「良いか悪いか、古いか新しいか」、時に自問自答することはあるけれど、答えはなく、未だ先の見えない「旅の途中」
4章へ続く。
内田亮次 プロフィール
1973年生まれ
東京出身いすみ市在住
4STAR inc.代表