interstyle

INTERSTYLE 2025
開催:2025年2月12日(水) 〜 2月13日(木) 会場:パシフィコ横浜詳細 »
開催:2025年2月12日(水)〜13日(木)
会場:パシフィコ横浜詳細 »

プレス

ロゴ・写真

アクセス

交通案内
宿泊案内

Youtubeチャンネル

INTERSTYLE movie

コラム

松本省二『第2回 バックカントリーガイドという職業』

2017/02/13 tag: 松本省二

matsumoto photo

こんにちは。バックカントリーガイド・登山ガイドの松本省二です。
2回目の今回はバックカントリーガイドという職業について書いていこうと思います。
このコラムで少しでも多くの人にこの職業を知ってもらえればという思いがあります。

◆バックカントリーエリアとは
バックカントリーエリアというのはスキー場では無い
管理区域外のエリアの事を言います。
例えばバックカントリーエリアを滑走するとは、スキー場の外を滑るという事になります。

スキー場管理区域内の立ち入り禁止区域はバックカントリーとは言いません。
また、サイドカントリーという言葉も最近出てきていますが、造語です。
スキー場から簡単にアクセスできるエリアの事を言ったりする人もいるようですが、
スキー場管理区域外に出ればそれはバックカントリーです。

◆スキーガイドの業務
matsumoto photo
前記のバックカントリーエリアを新雪や良いザラメ等その時に滑走して楽しい場所を安全に滑ってもらうのが私達の仕事だと考えています。

日本山岳ガイド協会の資格は国家資格ではありません。そのため「俺はガイドだ!」と言えばガイドをする事はできます。

フランスはガイド資格が国家資格ですがアメリカやカナダ等はそうではありません。
それなのに何故ガイド資格が成立しているかと言うと
ガイドの歴史が深く、ガイド協会が社会に認識されている為、無資格のガイドをユーザーが利用しません。
良いガイドと山に行く事がより山を楽しめる事を知っているのです。

カナダではスキーガイドの歴史が50年以上もあり、一つの職業として完全に認められています。
日本でもバックカントリーガイドが社会から信頼され一つの職業として認識してもらえるよう、自分もガイドの一人として努力したいと思います。

◆日本山岳ガイド協会 スキーガイド資格について
matsumoto photo
スキーガイド資格とは、日本山岳ガイド協会が発行している「バックカントリ―を案内する為に必要な資格」で、現在日本ではこの資格が業界のスタンダードとなりつつあります。

スノーボーダーの私達には「スキーガイド」という表現はちょっと違和感を感じるかもしれませんが、北米などの英語圏ではこの言葉で統一されています。

スキーガイドの資格は次の2段階となっています。

「スキーガイドステージ1」
森林限界を越えない範囲で、且つ、ゲレンデに隣接し、ゲレンデまたは一般交通路に容易に戻ることができるエリアでのスキー、スノーボードガイドを行うことができる。
→例;かぐらスキー場からバックカントリーエリアに入り、スキー場に戻ってくるルート。

「スキーガイドステージ2」
ピッケル、アイゼン、ロープなどを使用せず登高できる登山でゲレンデや一般交通路に隣接しないエリアでのスキー、スノーボードガイドを行う事ができる。
→例;羊蹄山を麓から登り、滑って降りてくるルート。

参考までに上位資格の「スキーガイドステージ2」取得のステップを抜粋してみます。(2017年2月時点)
ちなみに検定とは合否があるという事です。

1.筆記試験 1日
→山の基本的な知識の確認

2.積雪期ルートガイディング・スキーガイディング(検定) 4日間
→スキーガイドステージ2の検定を受ける力量があるかを確認されます

3.雪崩対策技術(検定) 4日間 もしくは 日本雪崩ネットワーク雪崩業務従事者Level 1
7日間
→雪崩についての知識の確認

4.危急時対応技術講習 2日間
→山での怪我の対応等

5.スキーガイドステージ2検定 10日間
→1人前のガイドとしての力量が確認される10日間です。様々なコンディションでリスクとハザードを見極め、お客様に安全に楽しんで貰えるかを見極められます。

上記の内容で合計28~31日間研修や検定に費やします。
勿論ただ受講すれば受かる訳ではないので、多くの山に様々な時期に入ってトレーニングを積む必要があります。
技術を学び、独立したバックカントリーガイドとして認められ、そして経験が積めるようになるわけです。

◆最後に
matsumoto photo
今回はバックカントリーガイド資格について説明させて貰いました。

これだけやってるんだよ!とアピールしたい訳ではなく、バックカントリーガイドがお客様に安全に楽しんで頂くために、どのようなステップを踏み、知識や技術を習得しているかを知って頂ければと思い紹介させて貰いました。


我々バックカントリーガイドはこの素晴らしい職業を続けて行くために、多くのエリアを滑り、滑走の喜びとそのエリアの素晴らしさを伝え続けトレーニングと称して山に入り続ける事でしょう。

バックカントリーのガイドを捜す機会がありましたら参考にして頂ければと思います。

「トレーニングと称して、山ばっかり行ってパウダーばっかり滑ってない?」
と言われたりもしますが、まあその通りです(笑)

最後まで読んでいただきありがとうございました!

【参考】
・バックカントリーエリアについて
日本雪崩ネットワーク 「ロープの向こう側」
http://www.nadare.jp/basic/safety-measure/

・日本山岳ガイド協会
職能別資格検定試験詳細規定「スキーガイド」
http://www.jfmga.com/pdf/28shosaikitei_ski_kaitei.pdf

松本省二プロフィール
1977年生まれ。
バックカントリースノーボードガイド・登山ガイドとして、1年を通して活動。
滑走のガイドエリアは白馬、妙高、谷川、蔵王、秋田、知床等、日本全国をご案内している。
<スポンサー>Deeluxe,Burton AK457
<所有資格>日本山岳ガイド協会認定スキーガイドステージⅡ、登山ガイドステージⅡ、日本雪崩ネットワーク雪崩業務従事者レベル2
WEB:http://shoji-m.com/index.html
FB:Facebookページはこちら

INTERSTYLE magazine

INTERSTYLE magazine

2024/11/20 配信

インタースタイル2025 出展者募集中!!

2024/11/21

COLUMN

COLUMN

SURFCOLUMN

蛸優樹

「波をシェアする心:ローカルとビジターの架け橋を作るには」

SKATECOLUMN

松本夏生

「抵抗」

SNOWCOLUMN

大久保勇利

「出発」

USNET
GOCAF