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コラム

高尾千香子『第1回 アダプトしてサーフィンする』

2024/06/19 tag: 高尾千香子

皆さんはじめまして、こんにちは。
Nami-nications柴田さんよりコラムのバトンを頂きました、高尾千香子(たかおちかこ)です。

「私は何者なんだろう??」

このコラムを書くにあたり、私のことなど知らない人が多いのだ。「当然、最初に簡単な自己紹介が必要だろう」と思った時に、こんな疑問にまずぶつかった。
自己紹介は面白く、相手が知りたいこと、興味を持つ「フック」を入れて、自分をブランディングしながら伝えましょう、自分の経歴をつらつら並べて伝えるのは悪い例です。
と、グローバル人事の界隈ではトレーニングで伝えている。
敢えてイケてない自己紹介をすると、私は、サーファーで、障がい者で、会社員で、人事で、元広告マン、多国籍な環境で働いていて、一般社団法人を立ち上げ運営し、最近は妻という立場にもなった。
年齢的には難しいが、母になる可能性も・・・限りなくゼロに近いが、ゼロではない。

 

私だけではない、きっと誰しもが色々な立場や役割そして顔を持っている。
その中の特別ではない私自身も、例にもれず、色んな「わたし」がいて、全部まとめて「わたし」である。
つまりそれは何者なのだろうか?
多様すぎてWho I am(自分がどんな人か)が揺らいでいる。

私の6歳になる甥なら、「小学校1年生です。好きなものは恐竜です!」と、至ってシンプルだろう。
もしかしたら私も甥に習って、「43歳、サーフィンが好きです!」で、良いのかもしれない。

 

この4回のコラムの中で「サーフィンx障がい」を軸に、いくつかの「わたし」を織り交ぜて、「多様さ」の持つ面白さをThe Search(探求)したい。

ちなみに、The Searchはスポンサー頂いているRip Curl Japanのコンセプトであるが、なんて良い言葉なんだ!と気に入って、至る所で勝手に使っている。
「The Search – それがリップカールである」と、はっきりウェブサイトに書いてある。
スポンサー様、ブランドのアイデンティティを勝手に盗用してごめんなさい。

 

パラサーフィン、アダプティブサーフィンどちらも同じ、障がいのある人たちがサーフィンをすることを指す言葉だ。
パラリンピック、パラスポーツは、広く多くの皆さんに馴染みのある言葉であり、最近はサーフィンでも「パラサーフィン」と伝えることが多い。
一方で長くパラサーフィンを続けている方から「Adapt(アダプト)- 適応する / 順応する」してサーフィンするから、こだわりをもってアダプティブサーフィンと言っている、と聞いた時にとても納得した。

皆さんも、サーフィンのスタイルや、レベル、体力、身長・体重に合わせて、自分にあったボードを選んでいるはずだ。
パラサーフィンの場合は、さらにその幅が広い。
私の場合は、初めて自分のサーフボードを買ったときには、シャークアタックに遭い片腕を失ったベサニー・ハミルトンがサーフィン復帰初期に使っていたものを真似して、ノーズ側にバンドを取り付けた。

結局かなり深くドルフィンをした時に、海面に上がるタイミングで板が飛んでいかないようにする時にしか使用せず、私の技量ではそんなに深くドルフィンすることもなく、2本目のボードからは取り付けていない。

 

私は先天性の障がいがあり、左手の肘下が欠損している。ボードを物理的に改造してアダプトすることだけでなく、右手のみでのパドリング、左右高さの異なる状態でのテイクオフなど、試行錯誤しながら、サーフィンをしている。

難しいサーフィンをさらに難しくしていることは間違いないが、私にとっては女性であることで筋力や体力が男性よりは劣る事や、30歳を過ぎてからサーフィンを始めたことも、片手であることと等しく、特に混んだ海で波を取る事において、不利な条件に感じる。

つまり、初心者も中級者も上級者も、キッズも女性も人生の先輩サーファーも海でサーフィンを楽しんでいて、それぞれに理想のサーフィンや楽しみ方があるように、障がいを持っているということが、特別「パラ」だからと枠を作ることなく、延長線上にあり、他の多くの皆さんと同様に試行錯誤しながらサーフィンをしている。

その試行錯誤の中に、パラサーファーの身体的特徴に合わせて、バディと一緒にサーフィンをする、サポーターと一緒に海を楽しむことも含まれる。

私がパラーフィンを始める出会いとなった、藤原智貴さんの書いたコラム(こちらから読めます)も是非読んで頂きたい。
私は同じパラサーファーでありながら、ともき選手の大ファンだ。

普段は、穏やかで、優しさ全開の顔をしていますが、サーフィンになるとスイッチ入る。
サーフィンも、生き方も、本当にかっこ良い、シビれる!

 

数日前に、2028年LAでのパラリンピックでサーフィンが不採用となることが決定した。
2032年開催のオーストラリア、ブリスベンでのパラリンピックで、新競技としての初採用を継続して目指すということも同時に発表された。
LAでの開催が実現しなかったことは残念だが、パラサーフィンが面白いという事には変わりがない。
私は初めて参加した世界大会で、自分の想像を超えた多様な「アダプト」を見て、衝撃を受けた。
その衝撃を皆さんにも味わっていただきたい。

2022 Pismo Beach ISA World Para Surfing Championship
Final Day Highlight video

 

 

高尾千香子 | CHIKAKO TAKAO プロフィール

パラ / アダプティブ サーファー(障がい者サーファー)
一般社団法人 日本アダプティブサーフィン協会(JASA)
マルチナショナル企業 人事/HRビジネスパートナー(HRBP)
静岡出身、東京経由、千葉在住
先天性左前腕欠損(つまり生まれつき左手の肘下がありません)
2013年頃サーフィンを始め、冬はお休み夏だけ週末サーファー時代を経て、2022年にパラサーフィンと出会う。
選手として世界選手権などの大会出場と、パラサーフィンを広めるイベントや基盤づくりの2つを軸に活動。
<Instagram>
高尾千香子 @chikakotakao
JASA @jasa_surfing

 

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