はじめまして、の方も、お会いしたことのある方も、おはこんばんちは(歳がバレるけど便利な言葉ですね…)。
DGCに紹介されたDKC、デカチョウと申します。生まれは札幌。19歳でスノーボードに出会い、あれこれと30数年たち今に至ります。
歳をとって昔話をしたがると煙たがられますが、この際そんな意見は無視させていただき、ありきたりですが、おれがスノーボードをはじめたきっかけについてお話ししましょう。
それはスキー場で見かけたから、それだけです。
それまでの人生において、特にスケートボードやサーフィンの文化やスタイルに直に触れたわけでもなく、ザ・ビーチ・ボーイズで始まるなにかのテレビ番組のサーフ映像や、バックトゥザフューチャーのワンシーンなんかで、そのステレオタイプな露出をフェザータッチしていた程度。
実体験としても、当時はなせかボブスレーと呼んでいたソリに、遊びで立って横向きに乗ったかどうか、よく行く古着屋にミニランプがあったかなくらいで、それがほぼ初めての生ヨコノリカルチャーとの接近でした。
その時見かけたスノーボードとは、高校生の時に友達とスキーを滑りに行ったルスツ高原スキー場のリフトの上から見たモーグル大会…。
地味なワンピースのスキーウェアに身を包んでたハナタレ高校生には、蛍光色バリバリで派手なルックスや初めて見る動きは、当時全盛期だったヤンキーともまた違う、まだ珍しかったドレッドや金髪みたいな不良テイストと共に、鮮烈なインパクトを与え、脳内のどこかへのヒットをかまされたのか、今でもその光景をよく覚えています。
今の多様化した時代ではちょっとわかり難いかもしれませんが、みんなが同じ映画や同じ雑誌に憧れ、同じようなスキーウェアに身を包み、同じような滑り方でスキー場で過ごすという時代に、スノーボーダーという一派は明らかに異質でロックでパンクでレゲエでクールだったのです。
ロックもパンクもレゲエも好きだったおれには、なにかしっくり来たのかもしれません。
そして、すぐに札幌のファッションビルにあったプロショップ(scramble U.S.A)へ向かうも、その高額なギアの値段に出鼻を挫かれ、すごすごと帰路に着いたのを覚えています。
全て揃えるのに当時20万程度、興味本位で近づいた高校生には手が出ない物件だったのです。
それから旭川の大学へ、一応デザイン系だったので派手な人種も多く、待ち構えてたかのようにそこにはスノーボードのサークルが。
今でもお世話になっている先輩達が貼っていたそのサークルのポスターにやられ、人生を大きく変えたその扉を開くことになったのです。
ギアも中古で格安! 最寄りのスキー場までも10分! やらない手はないとすぐに仲良くなり一緒に始めるメンツも集まり、いよいよ冬へ。
始めてのスノーボードは本当に申し訳ないくらいありきたりな、楽しい!! の一言でした。
例の先輩達は「そっちにビールがあると思えば曲がるよ」とだけしか教えてくれず、スケーティングもままならないままリフトへ連行。
まな板みたいなSIMS harfpipe 1625に、締めると痛い締めないと緩いバインディング、フニャフニャなソレルのブーツの組み合わせはちょっとやそっとでは滑走と呼べる状態にはならず、コケまくりで笑うしかない。
だけどコケるのが楽しいなんて新鮮で、そんな雪遊び感覚で童心へと戻してくたのも良かったようで、それから今まで、スキーに戻ろうと思ったことは一度もないという有様。
スキーもゴムのスキー靴時代からそれなりには楽しくやっていたのですが、当時のおれが触れていたスキー文化が、なにしろ型通りが良しとされ、検定の級が達人の証。
上手く滑る人はカッコ良く憧れもあったけど、本気でやろうとすると現れる協会やらなんやらのカチッとした雰囲気も苦手だったので、そこにはのめり込めず、冬休みのお遊びでしかなったのです。
そこからの解放、本来の雪山遊びという「自由だ!」を手に入れた、、、ような気分で一気にドハマりすることになったのでした。
32年経った今もやろうとしていることは変わらない??(笑)スキーのワンピー スに自分の古着ホッケーシャツ、自衛隊グローブで。
無いものがあったり、あるものが無かったり、、、ですが正真正銘わたくしで す。カムイスキーリンクス1990年。
スケーターやサーファーからの入口ともまた違う、雪国では当時多かったであろう、スキーからのヨコノリ参入というパターン。
そのナンタルカを知るにはまだそこから少し時間がかかるのですが、小さい頃から転げ回って遊んでいた同じフィールドで、遊び道具が変わっただけで、何もかもが変わり、そこからの人生全ての時間を費やすことになるとは夢にも思わないクソガキの冬だったのです。
てな訳で、1990年頃のきっかけ昔話でした。バイチャ!
ところで、タイトルのサイコロトークのネタ、誰か覚えてるだろうか…。
吉田尚弘 DKC プロフィール
グラフィックデザイナー&プロスノーボーダー。
滑走活動のほか、イベント・スノーパークをプロデュースの経験も活かし、数々のスノーボードギアのグラフィックやスノーイベント・TV番組等のビジュアルを手掛け、雑誌「king garage magazine」の編集長。
自身のブランド「horizon」も20年継続中。UNITmfgライダー兼アートディレクター。
INSTAGRAM:個人(@dkc71) Horizon The Art Get Into(@horizon_the_art_get_into) King Garage Magazine(@King Garage Magazine)