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コラム

竹春乃『第2回 手段としての言語』

2022/04/06 tag: 竹春乃

みなさまこんにちは、竹春乃です。
第一回ではスノーボードを始めるに至った経緯について簡単にご紹介させていただきましたが、そちらでも少し触れているウィスラーの高校に通うことになった経緯に沿って、「手段としての言語」というテーマでお話ししたいと思います。

まずは海外に興味を持ったきっかけについて。
竹家では、私が小学生の頃から毎年雪山で年越しをしていて、それも毎シーズン同じアドベンチャーガイド兼宿泊施設”NORTH STAR”に滞在するのが恒例行事となっていました。当時はハワイアンのダンがオーナーをしていて、スタッフお客さん共に様々な国籍の人たちと交流できる場所。毎年我が家のようにおかえりと迎えてくれるアットホームな場所で、英語ができないながらもネイティブの子供たちと会話したり、一緒にスノーボードするうちに、「英語喋れるんってなんかかっこええな〜」と思ったのが1番最初のきっかけです笑

その後すぐ英会話に通い出し、中学進学した後も、言語って楽しい!と夢中で勉強していたころ、2つの学校に目が止まります。

YIS(横浜国際高校)=公立高校の体制のインターナショナルスクール

CSBA=カナダ ウィスラーのスポーツ専門学校

どちらにも興味があった私は両親と相談し、
YIS不合格の場合はCSBAに通いながら現地のローカルハイスクール、Whistler Secondaryに3年間通いたいと懇願し、なんと公立高校を単願で受験していました笑

既に志望大学があった私は、希望する大学に入るためにもYISに入りたい!と、受験ノイローゼ一歩手前くらいまで猛勉強した末、合格。

しかし、入学してみると周りはみんな英語ペラペラ。英語どころの話ではなく、マルチリンガルがたくさん。そんな環境で3年間を過ごすうちに、ただ英語を話せるようになれればええな〜という考えから、 “コミュニケーション手段としての英語”と、”その手段を用いたため得られる新しい価値観や文化交流”の方に興味を持つようになります。

うちの高校には、国籍や言語以外にも、宗教やバックグランドなど様々な価値観を持つ生徒で溢れていて、一人ひとり個性的でありつつも他者を心から尊重できる友人ばかりでした。そこで生活していると、「差別や偏見ってほんまは世間には存在せえへんのちゃう?」と錯覚するほど。
高校時代の友人たちはいつも自分の道を進んでいて、高学歴でも就職せず世界一周しまーす!って人やったり、学生時代に企業したり、プロのダンサーやバレリーナになったり、とにかくストイックでエネルギッシュな人が多かったです。
そんな中、国際問題に特に興味を持って勉強していた私は、政府指導の高校生派遣プロジェクトでタイに行ったりと、スノーボードよりも精力的に動いていました。
スノーボードでも夏に合宿でNZに行ってみたりしましたが、とにかく楽しくスノーボードできればいいや〜といった感じで、どちらかというと英語のために行っていた感じでした。
その後も充実した高校生活を送っていたところ、どんどん海外に羽ばたいていくYISの友人たちを見て、大学生で留学する人なんていっぱいおるし、もしかして行くんやったら今?と考え直し、高校2年を終えた後、一年休学し、CSBAに通いながらWhistler Secondaryに通学。17歳〜18歳の時期をウィスラーで過ごせたことは、私の人生に大きな影響を与えていると思います。

ウィスラーでの生活は、シーズン中は午前、午後どちらか高校で授業を受けてどちらかはスノーボードするという贅沢な生活で、朝イチから授業ギリギリまで滑り倒して、ブーツもウェアもそのまま、板も担いだままハイスクールへ向かって授業を受けたりしていました笑

スノーボードに最高の環境でホストファミリーも優しかったのですが、高校に通い始めて数ヶ月は、気心知れた友達ができるまで毎日憂鬱でした。
アジア人差別的なことを通りすがりに言われたこともあったり。
悲しいですけど、これって例えば国の教育方針とか、親の価値観とか、まだ未熟な学生であるから、というような理由だけではないと考えています。
人間は言語を使ってコミュニケーションを取っていますが、いくら他言語を話すことが得意でも、ネイティブ同士の会話でなければ伝わりづらいニュアンスや表現ってたくさんありますよね。カナダの高校で友人たちとの会話で衝撃を受けたのが、みんな全然尊重せえへん笑
実際にはお互い尊重し合っているんですけど、私にとっては、私の意見めっちゃ否定された!いちいちなんでそんな言うてくるんやろう〜と不思議な感覚でした。

これは文化の違いで、(国で一括りにするものでもないですが) 誰かが意見を述べた時、日本の場合は一度共感してから自分の意見を述べる人が多いのに対し、カナダの場合は一度否定してから自分の意見を述べる人が多く感じました。
カナダに限らずですが、「ただ共感をするだけでは何も考えていない頭の悪い人やと思われるよ」と言われ、”私自身の言葉をただ英語に変換して喋ってるだけの人”になってしまっていることに気付きました。
これでは私が習得したい手段としての言語ではないのではないか?と、”英語という言語を使って価値観や文化を共有する”という考えに変わった瞬間でした。
彼ら視点で見ると、なんだか得体の知れないアジア人が喋ってくるけど、空気読めないし変なやつ〜と、思われていたのかもしれません。笑

ここで、日本から来た私に失うものなんて一つもない!と自分を奮い立たせ、国籍性別問わず毎日違う子に、ランチ一緒しない?とナンパしてました笑
1、2ヶ月経つ頃には放課後遊んだり土日に滑りに行ったりする友達もできました。
“手段としての英語”は今現在も私にとっての課題ですが。

YISの友人たちが、個人の考えを強く持ちながらも内に秘め、相手の意見を否定せず共有するスタンスであるのに対し、ウィスラーで出会った友人たちは個人の考えをアウトプットすることに長けていて、積極的に議論を交わすのが好きな人が多く、とても刺激を受けました。
友人にも優秀な子が多かったので、進路の話をよくしていたのですが、私はスノーボードを続けながらも、英語に特化した大学で国際問題(この時は紛争や難民問題について興味があったため)について学びたいなーと考えていました。
単純に他の日本の学生に比べて英語が得意やったからです。しかし、ウィスラーの友人たちは違いました。得意なことや好きなことをそのまま進路にするのではなく、これが得意やから、違うジャンルの知識もあったら最強やん!という考え方で、これもあれもやってみたいからやる!という姿勢に、またしても衝撃を受けました。英語を手段として使うことを課題にしていたのに、また忘れていたんです。それやったら、勉強してみたいけど独学ではせえへんやろな〜と思っていた法学の道に進もうと決めました。英語が喋れる人なんて腐るほどおるけど、日本で英語が喋れて法学や政治学の知識あるって、めっちゃ強みかも!と気付かされたわけです、、

進路の面だけでなく、自分のスノーボードに対する考えも、彼らの価値観に触れて大きく変わりました。
第二回、書き出すと止まらなくなってしまったので、そのあたりについてはまた次回、
楽しみに待っていてください!!

スノーボードからだいぶ逸れてしまいましたが、私を構成するファクターの一つとして外せなかったため書き連ねてしまいました、、
ここまで読んでくださった方、お付き合いありがとうございました!
ハルノでした〜それではまた次回。

 

竹春乃 プロフィール
1999年 3月23日生まれ 大阪府大阪市出身
中央大学 法学部 在学中
夏は神奈川で大学生、冬は白馬エリアでバックカントリーやフリーライドの技術を磨いている
instagram: @takeharuno
好きなこと: 絵を描くこと
→絵を載せてるアカウント @haruno_no_oekaki
スポンサー: SPINY snowboardingco, Arbor snowboards

 

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