冬の朝は早い。海にサーフィンしに行く朝も、ね。
毎朝暗い時間から用意をはじめて、山に行く道中や海に行く道中。
おにぎりを頬張りながら、ふとあちら側を見ると空が真っ赤に染まるのが見える。
そうしているうちにその光は赤から柔らかなオレンジ色に変わっていく。
今日も朝日が昇る。
その様のなんとも美しいこと。
早起きは元々あまり得意じゃないのだけれど、この景色を見ただけでなんだか胸の奥底から元気が湧いてくる。
しあわせな気持ちでいっぱいになるのです。
連載コラムも今回で最終回。
最後の回はわたしからのメッセージです。とくに、同年代の20代のみんなへ向けて。
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
小学生の高学年から冬は親元離れてスノーボードの旅を続けてきました。
そりゃぁもう大変な思いも沢山したし、苦い思い出も失敗したことも、折れそうになったことも山ほどありました。
そんな思い出も経験も、どれほど今の自分自身の糧になっていることか。
振り返ってみると、どんな経験もすごく大切なことで必然だったなと思える。
感謝のきもちしかありません。
見ず知らずの方たちやその日出会っただけでもう会えないかもしれない、そんな方たちにも助けられたことも沢山ありました。
しんしんと雪の降る中大荷物抱えて歩いていたら、一度通り過ぎた軽トラックが戻ってきてくれて乗せてくれたり。
素泊まりで民宿に泊まっていたら宿のご家族が「まかないで良かったら一緒に食べない?」ってね。
北海道で兄と車泊でシーズンを過ごしていた時は、いつもパトロールしている警察官の方がしょっちゅうご飯を食べにおいでってあったかいお家のご飯をおごちそうしてくれたり。
みんなが、いつでも帰っておいでと優しい笑顔を向けてくれる。
地元に帰れば「ケガせんごとね。」「応援してるよ。」と背中を押してくれるみんなが居る。
温かみ溢れる優しい一言が、笑顔がどれだけの力に溢れているか。
その温かみと共に見てきた美しい景色。
携帯電話やパソコンを開けば、いつでもどこでもどんな場所の景色も情報もカンタンに見ることができるこの時代。
けれども、実際に自分の目でみて心の奥底で感じて、経験していくことでしか得れない大きな何かがある。
それらはきっとSNSやインターネットでみれるものではない。「いいね」の数で評価されるものでもない。
胸の奥が揺れ動かされるほどの感動する景色を、そこに生きる命や緑の強かな美しさを、人々の温かみを、愛を。
液晶画面ではなく、目の前や足元にあるもの。
その先にあるものを自分の目で見て、感じてほしい。
ときには小難しいことは考えるのは置いといて、ね。
一歩を踏み出してほしい。
どんどん世界を広げてほしい。
自然豊かな綺麗な場所。ステキなもの。カッコいいものことや人。芸術や文化。
そしてなにより、楽しい時間。良い時間を、い----っぱい過ごしてほしい。
良い時間や楽しい時間ってのは、イコール”楽をする”ってこととはちょっと違う。
「最高って思える瞬間に至るまでに、みんな何かを乗り越えてるんだ」っていうのもスノーボードを通して学んだことのひとつ。
大切なものを大切にしながら。
これからも歩んでいきたいと思う。
こんな時代だからこそ、まずは自分たちが笑顔でいなくっちゃなってね。
笑顔で居れる、そんな良い時間をこれから先ももっとみんなと一緒に創りたい。
未来を創るのはやっぱり、わたしたちなんじゃないかなってね。
四回に渡りましたインタースタイルSNOWコラム。最後までありがとうございました。
次は雪の上でのセッションを楽しみにしています。
次にバトンを繋ぐのは、滑りも中身もカッコいい尊敬する先輩ライダーのひとり。美谷島豪さんです。
今シーズンも佳い冬になりますように。
ここから繋がる和がこれから先も広がり続けていったら、もう最高だ~♪
拝
加藤彩也香(Sayaka Kato)プロフィール
1992年10月11日生まれ 佐賀県出身
スノーボードや自然との関わりを活かし地球上にたくさんの笑顔を増やすキッカケづくりを天命とし、その和を繋げるプロジェクト「MANA」を進行中。
現在は長野県大町を拠点にマウンテンフリースタイラーを目指し枠に因われないスノーボードの追究を続ける。
自然、旅、音楽、綺麗なものやカッコイイもの、楽しいものが大好きな25歳。
RIDE SNOWBOARDS/ OAKLEY/NEFF/ Airblaster/ (株)タカアキ/ おおくま産婦人科/ 三根コンタクトレンズセンター
Instagram:SAYAKA_419