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COLUMN |
SURF COLUMN 2009/4/1 |
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『SOULS OF SURFING-宇宙のゴミにならないために-』
波に乗ることのこの上ない気持ちよさを覚え、
自由でいることの気持ちよさを覚え、
自然の美しさを日々感じることの大切さを思い出させてくれたサーフィン。
サーフィンが私にもたらしてくれた恩恵は
たった4回のコラムで全て書ききれるようなものではない。
が、もうひとつ、サーフィンしていなかったら得ることが出来なかったものといえば
間違いなく数々の素晴らしい人との出会い。
波乗りを通しての出会いには、
“サーフィンしててホントよかった~!”と、心から思えるような出会いが多くてびっくりする。
特に、相手がサーファーだって分かると、
多分同じ価値観を持った人だというのが分かるから
多くを語る必要がないのも面倒でなくて良い。
そして、新たに出会った素敵な人たちが、
実は前から繋がっていた人たちと繋がっていたり、
私にとってこうした出会いは本当に不思議な宝となっている。
海はどこまでもつながっている。
太平洋。インド洋。日本海。
人間が勝手に区切って名前をつけているだけで本当はひとつしかない海。
そして、一つに繋がった海が私と素晴らしい人たちを繋げてくれた。
ところで、海に入っていてとても面白いと思うことの一つは
小学生も還暦迎えたサーファーも対等なこと。
ハワイでは、小学生がいい年こいたおっさんサーファーに
“ヘイブラザー、ゲンキ?”と、ごくカジュアルな感じで挨拶する。
日本語には敬語があるからここまでカジュアルではないにしろ、
海の中ではおじいちゃんも子供も
お互いを一人の人間として“リスペクト”しているのがよく分かる。
この“RESPECT”の本当の意味もサーフィンが教えてくれた。
日本語で言うと、“敬う” “尊敬する”という意味なんだけど、
どうも堅苦しくてしっくり来ない気がするのは私だけではないだろう。
サーファー同士の会話によく聞かれるこの“リスペクト”という英語、
尊敬する、というよりは、相手を認めるという意味で使われている気がする。
“RESPECT” つまり、他人を他人としてまるごと認めること。
そして人はもちろん、自然に対しても同じ気持ちを抱くようになる。
逆らうことの出来ない自然の大きさを目の当たりにし
リスペクトなしには理解できないサーフィンの暗黙のルールを通して
サーファーはその大切さを学ぶ。
これこそ人が他人と本当に理解しあうのに一番大切なことだと思うし、
そして同時に今の世の中に一番欠けていることじゃぁないかと思う。
他人の違いを認めることが出来ないから戦争なんてことになる。
人間が自然より優れていると勘違いするから、平気で壊す。
私のバイブルの一つに、“SURFING ON MY MIND”という
サーフィンワールド誌20周年記念の別冊がある。
その中のコラムでSteve Pezman氏が書いていた一文。
“悪名高いLSD愛好者で、
反キリスト教の哲学者であるティモシー・リアリー博士は、
かつて、サーファーマガジンのインタビューで
サーファーとは人類全般の進む方向を探るため、
皆よりも列の先頭へ出され、道なき道をあゆまされているのだ
と語ってくれたことがあった“
大げさな話ではなく、私は、サーファーには、世の中の人たちに、
“本当の意味で生きるってのはこんなに楽しいんだよ”
ってことを教える義務があると思っている。
サーフィンで学んだこんなに素晴らしい数々のことを
ヒミツにしてるなんて、もはや犯罪だ。
明日波が上がるって分かってる前の日の夜のあの感じは
遠足前夜の幼稚園児と同じ。
こんな大人になって、
あの頃と同じ気持ちを抱けることがどんだけSPECIALかを
みんなちゃんと感じてるんだろうか?
先日、地球の周りを回っている衛星が爆発して、
その破片が宇宙のゴミになっているというニュースがあったけど
このまま放っといたら人間が宇宙のゴミになっちゃうんだろーなー。
一人が出来ることは小さなことかもしれないけど、
この素晴らしいサーファーどうしの繋がりを生かすことが出来れば
世の中を変えることなんて意外と簡単なんじゃないかと思ってます。
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