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COLUMN |
SURF COLUMN 2009/3/18 |
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『SOULS OF SURFING-人生で一番大切なものはタダ-』 月が満ち、海が満ちる。
知らないうちに夏が来て、これまた気づけば冬が来てる。
誰に命令されたのか知らないけど、勝手にえらい規則正しく動く地球。
実はこんな規則正しさこそが奇跡なんだろうけど、
なにげない毎日をすごしていると、身近な奇跡に気づくことはない。
サーフィンしてなければ
月が満ち欠けするのをこんなに気にする事などなかったはず。
月と地球の引力がつくりだす潮の満ち引き。
サーファーにはとても身近な現象だけど、実はもの凄く壮大な感じの現象。
ところで、あまり関係ないけど、気づいてました?
引力っていうのは実はものすごく弱い力だって。
こんな大きな地球の海面を上げたり下げたり出来るのに、
鉄の塊は大きな地球ではなく小さな磁石のほうに引き寄せられる。
これも身近な奇跡です。
サーファーが気になって仕方のない自然現象は月の満ち欠けにとどまらない。
明日の風はどの方向から吹くのだろう?
日の出は何時だっけ?
砂がたまってるポイントはどこなんだろう?
波はどの方向から入ってくるのだろう?
海に入っている間に変わる風や、川のように流れる海。
日が昇り、日が沈むときの空の色。
波のスプレーに見え隠れする虹や
曇った空の間からさしこむ金色の太陽の光。
普通の生活をしている人には、
まったくもってどうでも良いような自然の移ろいや
ビルに囲まれた東京では絶対見ることのできない自然がつくりだす風景が
気になって気になって仕方がなくなっていく。
そして、どんなに気にしたところで、予想通りにならないのも自然で
その自然に逆らうことが出来ないことをサーファーは海を通して知り、
そして気づけばその自然に調和することを追い求めるようになる。
結局、都会で暮らす人間が発作的に求める癒しだって自然ではないか。
昇る朝日や沈む夕日がどうしてあんなに見たくなるのか?
どうしてただ海を見に行きたくなるのか?
虹が見えたらどうしてあんなに興奮しちゃうのか?
どうして人間はこんなにも自然を求めるのか?
前回、人間は本能的に自由を求める生き物だと言ったけど、
同じように本能が自然を求めているだけなんだと思う。
ただ単に、人間が人間らしく正常に機能するのにそれが必要だから。
体は正直。本当に必要なものは心と体が教えてくれる。
幸いなことに、私は小さいころから超自然児で、
川でヒルに血吸われながらフナを追っかけたり、
三田の山奥に蛍の大群見に行ったり、
セミの幼虫を家の網戸にくっつけてイナバウアーみたいな孵化を一晩中眺めたり、
海はなかったけど、いつも外で遊んでいた記憶でいっぱい。
そして、やっぱり自然っていうのは最高だわぁ!
と、たいがい大きくなってから改めて思い出させてくれたのがサーフィン。
サーフィンは自然との一体感を味わわせてくれる。
自分も自然の一部だったんだと思い出させてくれる。
そして、こんなに自然大好きなのに、同時にそれを破壊するのも同じ人間。
なんて矛盾してるんだろう。
人間はいつからか、自分たちも自然の一部だって事を忘れてしまった。
そのへんに生えてる草と自分が同じだなんて誰も思うことが出来なくなってしまった。
人間同士で殺し合いっこするようなこの世界、仕方のないことなんでしょーか。
どこかで読んだ本に書いてあった私の大好きな一言。 “The most important things in life are free”
人生で本当に大切なものはタダなんだよ。
気づけばいつもそこにある。だれでもタダでもらえる。
でもタダだからって取り放題取ってたら、いつかなくなってしまうのも事実。
サーフィンは、私にそれを深く深く思い出させてくれました。
あー、ほんとサーフィンしててヨカッタ!
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