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コラム

永原レキ『第2回 空海〜藍JapanBlue』

2018/01/31 tag: 永原レキ

皆様こんにちは、四国より永原レキです。
前回お話ししたサーフィンを通じて与えられた国内外での様々な出会いや経験を経て、
最終的に地元徳島に還りついたわけですが、今回はその後に訪れた故郷の歴史や伝統文化藍染との出会いについてお話ししたいと思います。

オーストラリアから帰国した27歳の春、
帰国後2週間ほどかけて、沖縄や東京の恩師に挨拶周りをしていました。

東京滞在時にビッグサイトでオーガニックをテーマとした大規模なEXPOが開催されるという情報を聞き、日本のオーガニック事情を知るためにイベントに参加してみたのですが、
その大規模な会場の中に青い衣服が並ぶ小さなブースがあり、なんとなく引寄せられて訪ねてみると全身青色の衣服に白髪の魔法使いのようなおばあちゃんが出迎えてくれました。

nagahara photo

そこに展示されている製品はすべて天然の藍で染められたもので、
そのおばあちゃんから藍染めとは“藍”という植物を原料に、灰汁やお酒など天然の材料を使い、微生物の発酵を活かして生み出される自然由来の染色文化であること、
更に藍という植物には抗菌・消臭・防虫・UVカットなど優れた薬効が含まれ、
古来、軟膏や胃腸薬など漢方薬として活用されてきた薬草であり、
天然藍で染められた衣服にも同様の薬効が宿り、昔から野良着、火消し衣、侍の甲冑の中に着込む肌着など、自然と共に暮らすヒトの暮らしを衣食住に渡り支えてきた貴重な天然染色文化であることを教えられました。

また、藍染め文化は地球規模で世界各地に存在し、日本国内にも琉球藍から北海道伊達藍まで全国各地にその文化が伝わっていますが、その原材料となる藍葉の一大産地として栽培や染料製造を守り続けてきたのが徳島県であり、明治以降インディゴピュアという藍色化学染料の登場で生産者が激減したものの、今なお昔ながらの製藍文化を継承されている藍師さんが徳島に存在することも初めて知りました。

nagahara photo

nagahara photo

人の手で染め重ねることで濃淡が生まれる天然藍の美しい青のグラデーション、
そして、サーファーのフィールドでもある空と海が織りなす美しい青のグラデーション、
植物由来で人にも自然にも優しい持続可能な天然藍染文化と、人と自然の繋がりの大切さを教えてくれたサーフカルチャー、青き水の惑星地球・・・青で繋がるそれぞれの世界が力強く優しくシンクロした瞬間でした。

nagahara photo
photo by Daisuke kobayashi
wear : Gohemp / Bag : Ridebag / shoes : keen / skate : PeaceRoom


そして、最後に手渡された資料に記された住所が徳島県海部郡海陽町・・・
そのおばあちゃんが専務を務める会社が実は故郷海陽町にあることが判明しお互いに驚きビッグハグ!!
これが、その後サーフィンや自然の大切さを伝えていく上で欠くことのできない故郷の藍との貴重な出会いとなり、ここから、藍染おばあちゃんこと“株式会社トータス亀田悦子専務”と、同社が手掛ける海部藍(あまべあい)プロジェクトと関わりながら、故郷海陽町でのThinkGlobally,ActLocallyな日々がはじまるわけですが、
この続きは次回【阿波藍/海部藍〜i&i】でお話ししたいと思います。

色即是空〜Seeyousoon*


永原レキ プロフィール
inBetweenBlues 代表/ フリーサーファー
徳島県海部郡海陽町生まれ。大学在学中、全日本学生サーフィン選手権大会で個人/団体優勝達成。卒業後は東京・米国・オーストラリアなどの国内外で働きながら、サーフィンと音楽と芸術を学ぶ。
27歳でUターン、2010年、地元徳島の衣料メーカー(株)トータスに入社。海部藍プロジェクトの主任として主に染色や販売、広報を担当。
2017年独立、地元の海辺でオープンした藍染スタジオinBetweenBluesを拠点に、藍染やサーフィンに関わるモノ&場創りを通じて、故郷や自然の魅力をグローバル&ローカルに発信している。
「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT2016」にて制作した藍サーフボード”空海”が、スーパーバイザーである小山薫堂氏に「注目の匠」として選出された。

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