こんなはずじゃなかった。
眼が覚める隣には知らない人影と清々しい朝日が差し込んでいる。
賑やかさと拍手の様な雨はもうやんでいる。
ここは一体どこなんだ?辺りを見渡す。
昨夜、偶然に街で遭遇した友達のスケーター数名が畳の上に転がっている。
僕も転がっている。
本当に感謝でしかない。
しかしここはどこなんだ?
起き上がろうとするも右のアバラが痛んで上手く起き上がる事ができない。こんな朝ってなんなんだろう?本当になんなんだろう?
キッチンの椅子に座り煙草の煙と記憶を辿っていく。
絵の個展が終わり冷たいビールを流し込み偶然みんなと出会ってあの人と会ってそれからみんなとまた合流して…ほにょほにょ…らしい…
煙草は煙となって記憶は炭酸の泡となって人は空になって消えていくんかな?
一安心した僕は毛布に巻かれてもう一度眠りにつく。
みんなの流れに流され流れ着いたのであれば流れるままに流れ着くところまで流れに流されているとスケーターのみんなと絵の個展会場へと辿り着いていた。
昨日1日のやり直しはここから始まるのである。
こんなはずじゃなかったと考えるよりは、どんなはずだったのかを考えていなかった。
いきあたりバッチリな気持ちが体を動かしている感覚を実感する。
また気が付けば辺りはもう薄暗く帰りのバスに揺られて今日も乗り換えの駅へと向かっていた。
空が綺麗だ、沢山喋ったし沢山笑えたもう疲れたし早く帰ろう。
こんなはずじゃなかった。
眼が覚める今日の天気は曇り日差しは少ない。
ここは一体どこなんだ?辺りを見渡す。
街は雨上がりでしっとりと澄んだ空気がやけに気持ちいい。フォースは使えない。足りない記憶と肌寒い風にからかわれながら1人今日も乗り換えの駅へと向かっている。
こんなはずじゃなかった。
どんなはずだったのかを考えていなかった。
今日の天気は雨のち晴れ時々曇りでしょう!