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コラム

西野入洋良『第3回 ワーホリ制度を使って海外スノーボードをしてみよう!』

2017/07/19 tag: 西野入洋良

私のスノーボード人生を振り返った時に、どんな経験が深く記憶に残っているのか・・
そんな事を考えていくうちに色濃く蘇った思い出は海外でのスノーボード経験だった。

わたしは過去に、スノーボードを目的に渡航したことのある国は、カナダ・アメリカ・ニュージーランド・フランス・スイス・イタリアで、そのうちワーキングホリデー制度を使って訪れたのは、2010-11年にフランス、2013-14年にカナダにそれぞれ1年間でした。
前回までのコラムは自分の想いを伝えてきたので、今回は実用的な話「私のワーホリ体験」を2回に分けてお伝えすることにします。今回はワーホリってどんなもの?実際どんな手続きをするの?いくらかかるの?
次回は私のワーホリ実体験を失敗談や現地情報を交えてお話します。

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(カナダBC州バンクーバーからネルソンに向かう機内から)

そもそも、ワーキングホリデー(Working holiday)というのは18〜30歳の青年を対象に、2カ国・地域間への休暇目的の入国および滞在期間中における旅行・就労を認めるとっても魅力的な制度です。
要は観光ビザでは働くことは許されていないが、このワーホリビザではこの期間中なら働いてもいいし、勉強してもいいし、旅行をしてもボランティア活動をしても何をしてもいいのです。

1年間滞在できるので、短期の旅行なんかで訪れるのとは違い、1シーズンがっつりその山で滑りに集中できるし、現地の人と交流しながらその土地に密着して生活がすることができる。
もちろんスノーボード以外にも幅広い友達もできるし、何より現地の言葉を習得し、新しい文化に触れ毎日が刺激的に過ごすことができる。

私の場合まず当然のことだが、ワーホリでの一番の目的は、スノーボードをすること。
ワーホリ制度を使える国はいくつかあるが、まず大前提に滑れる山がそこにあるかということ。
スキー場の大きさやアクセス、雪質、評判の良さ、その周りのバックカントリーエリアはどうか、本当に自分が求めているスノーボードがそこでできるのか、欲言えばどんな人達がそこに滑りに来ているのかが重要。
そして、住む場所や仕事の有無、自分がその土地の食や文化に興味があるかなど、自分の理想がそこにある程度あるのかを考える必要がある。

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(私が冬の間、ずっと滑っていたWhitewaterのゲレンデ)

最初に、出発までの流れをざっとリストにしてみた。※個人の意見なので参考までに。

■日本で事前にやること

①情報収集して行きたい国を決める。
②どこの町・山をベースに住むか。宿や仕事など現地情報を収集。
③パスポートがなければ取得する。
④ワーキングホリデービザを申請。ネットで調べればエージェントを使わなくても大概自分でできる。
⑤日程を決める。
⑥フライトチケットを取る。それから空港から現地までの交通手段の手配。
⑦海外保険に加入する。(もしくは現地で現地のものを)
⑧早割があるなら事前にシーズンパスの購入もしておいた方がお得。
⑨海外転出届、年金、健康保険など公的手続き。
⑩お金の持って行き方を考える。場合によってクレジットカード作成、現地で使える銀行など開設。
⑪海外で運転する予定があるなら国際免許証をとる。
⑫出発準備・国内移動の手配。
※荷物は極力少なめに!!お金さえあれば、必要な物は大概どこでも手に入る。
最低限の服・道具で。買えないであろうパーツや予備は必要。
Bagは大きめのバックパック1つと、ボードケース1つに抑えた方が移動に便利だし楽。
街での滞在なら、バックパックをスーツケースに代えてもOK。

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(ネルソンの町から車で20分程上がった場所にあるWhitewaterのシーズンパス)

ざっとリストにまとめてみたけど、やはりやる事は多い。
しかも時間がかかることもあるだろうし、慣れていなければ労力も半端ない。
でも一つずつこなしていけば絶対できるだろう。

ここから私の体験を少し交えて詳しく説明していこう。
まず最初にやることと言えば、ネットでの検索や、過去に同じように行った事のある友人から情報収集をすることだろう。
貯金のある人は仕事に就く事をそれほど考えなくてもいいかもしれないが、私は滑りながら働くというスタイルを考えていたので、ある程度求人がある場所。それも外国人の働き口があるかどうかも大切なポイント。

住む場所については、現地に行けばどうにかなることが多い。
といっても、現地に着いてからすぐ休める場所を確保しておくのは安心だろう。
事前に現地のホテルかB&B、ユースホステルなんかに1-2週間ほど予約して、その間に家を見つける方法がある。
これだと実際に内見できるし、立地はどうなのかどんな人が周りに住んでいるのか、雰囲気などを確実に自分の目と感覚で確かめることができる。
住む場所の見つけ方は様々だが、現地のスーパーの入り口とかに張り出してある広告や、現地の知人や友人のつて、ネットの賃貸サイト、現地での聞き込み、などがある。
最初は1人でアパートを借りるのは大変だし資金も要るので、シェアハウスやシェアメイトを探す、仕事先の寮、ホームステイという方法もオススメ。

これでも心配であれば、日本を出発する前に現地の知人や友人を頼って、家をあらかじめ見つけてもらったり、ネットで現地のコミュニティサイト(部屋の貸し出し、シェアメイトの募集、車の売買や求人情報なんかも載ってる)で探し契約するやり方があるだろう。その場合は英語でのやりとりがほとんど。

ちなみに余談だが、わたしの友人は、同じカナダにワーホリで訪れた際、お金もなく住む家も見つからなかった時に、ボードケースに入って夜を明かした事もあったというなんともたくましい強者もいる。
アウトドアに慣れていれば、テント生活もありなのかなとも思うが、きちんと許可されたキャンプ場を見つける必要がある。冬は相当寒いし、キャンプ場がやっているかどうかという点も不明。

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(冬から春にかけて住んでいたネルソンの風景と私がお世話になっていた家の陽気なTIMおじさん)

さて、ワーホリ制度で仕事ができるからといって、全くお金がないのは厳しいだろう。
現地に行ったはいいがお金がないという理由で、朝から晩まで働かなくてはならない状況になると、せっかくの異国生活を満喫できないと私は思う。やりたい仕事があって稼ぐのが目的なら話は別だが、私の場合仕事は経験の一つくらいとして、メインはスノーボードやその他のアウトドアスポーツだったので、日本である程度はカナダ資金として貯めていった。
では実際いくらかかるのかざっくり見ていこうと思う。
金額は、訪れる場所や生活水準、目的でだいぶ代わってくるがこんな感じだろう。
これはカナダの場合でざっくりと計算している。

・スキー場シーズンパス 10万
・現地までの交通費(フライトチケット、バスや電車) 10万
・海外保険の加入 15万
・家賃 5×12=60万
・食費(自炊) 3×12=36万
・現地での交通費(バスや電車、もしくは現地で車や自転車を購入するか) 0~50万
    ※私の場合ヒッチハイクと友人に相乗りさせてもらうことが多かった
・他、雑費や娯楽費 10万〜

私の場合だと1年間の滞在で最低かかった費用は約130万程度となる。
やり方によってはもっと費用を抑えることもできるし、当然もっとかかる場合もある。

現地で仕事をするかにもよるが、渡航する前に貯金にこれくらいないと1年は暮らせないということだ。
要は150万あればギリギリ、200万あれば安心して過ごせる金額ではないかと思う。

わたしの場合では、はっきり覚えていないが70万くらいをカナダ予算と考え事前に蓄え、残りは現地で稼ごうと思っていた。実際は、それで全然足りて貯金も出来たほど。

では実際に私が現地で仕事に就いた職種というのは、冬に関しては友人に紹介してもらって始めたカフェでのバイト。
エスプレッソマシーンを使うのも初めてだったし、英語もそれほどままならなかったし、ほとんど経験なしな状態で雇ってもらった。レジから接客、掃除、買い出しから焼き菓子やお惣菜の仕込み、ありとあらゆる事をなんでもした。
常時2,3人でお店を回していたから、最初の頃は私はてんやわんやだったのを覚えている。
でも思い返せば周りのスタッフはもっと大変だったに違いない。笑

時給は確か10ドルくらい。そこにチップが上乗せされた。
働いていた時間帯は、山で1日中滑って町に下りて来てからだから、夕方からの2~3時間のみ。
だから1ヶ月の給料は少ない時で2万、多い時で5〜6万程度だっと思う。

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(一緒に働いていた同僚。みんな明るくて優しい人ばかりだった)

さて、冬のシーズンが終わりスノーボードができなくなる頃になるとワーホリ期間の半分が過ぎ、残りの半分は気持ち新たに新しい場所にベースを移す事にした。

冬に住んでいたBC州のネルソンという場所は、とても文化的で美しく静かな場所だけどそれほど稼げる土地でもなかったので、6月初旬にキャンモアという地に移動した。そこは日本でも有名なロッキー山脈沿いにあるバンフより南に下がった場所で、そこも山岳リゾートとして国内国外からアウトドア好きが集まる場所だった。

夏に関しては生活の中心は登山やクライミングが主で少し稼ぎたかったので、朝から働くことも多かった。たしか週4日くらい働いたかな。

そこでの仕事は、ローカルビールを製造・販売している会社で、わたしはそのビールを飲めるバーのキッチンで働いていた。
時給は13ドルくらいだったが、チップがかなりスゴかったのを覚えている。
6月終わりから9月初旬まで働いて、チップだけでトータル日本円で25万くらいだったと思う。
キッチンでもこんなにもらえるのか!とかなり驚いた。夏のボーナスも時給と別に出て、全部合わせたら夏だけで100万近く貯まった。

そのお金で、その後に行ったアメリカ2ヶ月の旅と、日本に帰国してからの資金に回した。
アメリカでの2ヶ月の旅は、当時つき合っていた彼と車でナショナルパークを巡りハイキングをしたりクライミング合宿をしたり、ジョンミューアトレイルを歩いたりなんかもした。

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(夢だったジョンミューアトレイルを3週間かけて歩いた。ロングトレイルはシンプルな一日を送れるのが好き)

お金は、貯金するものでなくて、ある程度使わないと意味がないと思っている。
借金をするのは論外だけど、若い時は自分のやりたい事や行きたい場所にどんどん行って、色々なことを経験したほうがいいと思う。それは観光でも勉強でも遊びでも何でもいい。
とにかく、やりたいと思ったときに、それを実行する!
そのやりたい事のために、仕事をしてお金を稼ぐ!
お金はツールにすぎないし、そのお金でどんな選択もできる。

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(初めてクラッククライミングを経験したインディアンクリーク。オフの日は友達とハイキング)


《まとめ》
年齢や仕事の関係でワーホリを使えなくても、ビジタービザでも数ヶ月〜半年間滞在できる国もあるので、ぜひチャンスがあれば海外でスノーボードをしてみてください!
自分で考え動いて得た経験や思い出は、人生を豊かにしてくれるしどこかできっと役立つはず!

ちなみにみ現在は、ワーホリ制度を使える場所はどんどん増えているらしく16カ国にもなっているらしい。
その中でも滑りに適している国はフランス・カナダ以外にもニュージーランドなどいくつかあるので興味ある人は検索してみてください。
何か目的を持っていくことも大切だけど、単純にスノーボードをする!というのも大きな目的だと私は思っています。
大好きなことをとことん追求して、有意義な時間をどんどん過ごして下さい。

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(冬の間ずっと滑っていたWhitewaterの山。静かなエリアだけどバックカントリーが好きな人が多く楽しかった)


それでは次回は最後のコラムになりますが、私のワーホリの実体験をお伝えします〜!



西野入洋良プロフィール
1982年生まれ・長野県千曲市出身。 自然をこよなく愛し、年間を通してアウトドアフィールドで活動中。冬はスノーボードのテレビ番組やDVD出演などメディア活動を経て、現在はライダー活動に加えバックカントリーガイド等に従事。オフシーズンは富士山ガイドをしながら趣味のクライミングやサーフィンを楽しんでいる。今後はガイド業で独立すべく準備中。
スポンサー:SECCA snowboard/ HOUDINI/ FULLMARKS/ NPO信州川中島平ファクトリー/ CARAVAN/ La Siesta
資格:日本山岳ガイド協会公認登山ガイドⅡ+スキーガイドⅠ/ 信州登山案内人/JAN雪崩業務従事者レベル1

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