こんにちは!
コラム4回目になります。よろしくお願いします。
本当はこの4回のコラムの中でアメリカの東海岸のカルチャーの話をしたかったのですが、
みんな地球の裏側の話よりもお金の話の方が興味あるかなと思い今回はコレ。
プロサーファーって稼げる?と思いますか??
僕は立場的にプロサーファーや、サーファーとスポンサー契約する立場にありますから、選手と契約する側から見た目線で話します。
結論からいくとプロサーファーは活動次第で無限に稼げます。
世界一有名なプロサーファーの帝王的な人いるでしょ?彼はサーフィンで大金持ちになりました。
でも、まずはスポンサー収入
スポンサー契約する企業側は様々な理由や目的で選手とスポンサー契約しサポートします。
スポンサーからお金を獲る為の近道はそのスポンサーが何を求めて自分をサポートしてくれているのかを見極める事です。
スポンサー企業は何の為にプロサーファーと契約すると思いますか?
結論から言えばその過程がどうであれそのスポンサー企業の収益増や知名度の向上と維持が目的です。
言い方を変えれば広告の為に契約します。広告効果があればそれに見合った金額を広告にかけます。
逆に効果が無ければその広告は打切りまたは違う手段で再度広告をうちます。
仮に日本のサーフィン業界でチャンピオンになろうとも企業に収益をもたらせられなければ選手の価値は限りなくゼロです。
また、スポンサー契約の条件などは全てスポンサーのさじ加減です。そしてオークションにも近いです。
あるプロサーファーが自分には1000万円の価値があると言っても誰も買わなければ価値は0円です。
もし、あなたがプロサーファーはお金が稼げなくて可哀想と思うならそのサーファーに100万円でも1000万円でもあげればいいだけの話。
口だけで可哀想とか、応援してるとか言ってるあなたはお金を出してあげられますか?
一生懸命働いて稼いだお金を可哀想だからってプロサーファーにあげられますか?
少なくとも僕自身は契約したい選手がいればそこにお金を使う立場にもいますし、サーフボードの提供にもお金をかけています。
そして良い選手を育成したいとも思っています。もし世界で通用する良い選手がいるなら多額の費用や労力をそこに捻出する準備も出来ていますし、
ましてやWRVはアメリカのビッグカンパニーでワールドクラスのプロサーファーでさえスポンサー契約出来る一流のサーフボードブランド。
僕はそんなブランドにシェイパーとして在籍しているので日本人選手をインターナショナルチームに入れる権限も持ち合わせています。
要は、その選手が誰よりもサーフィンが上手くて魅力があり、更に人気と影響力が有ればどの企業も興味を示しますし多額の費用を投じて獲得すると思いますよ。
あとは顔が良ければ言う事なしですね。個人的には見た目はかなり重要と思います。
今、企業からの契約金などでものすごく稼いでいる選手が日本に存在しないなら企業目線からは魅力のある選手は居なく該当者なしという事です。
そして、僕から見ればプロのスポーツ選手は水商売に近いものがあります。
仮に凄くお金持ちの人がその選手に対して「君のこと応援するからこれで頑張って!」って言って1億円をあげれば、その選手は1億円の収入を得ます。
逆にスポンサー企業に多大な利益を与え1億円を獲得しても同じ1億円の収入です。
何も無ければ収入0円。
そして、どの業界にも注目を集める人間にはパトロンがいるのも事実。
ただそのパトロンに甘んじて楽してるとその後の転落人生が待ってる… なんて話も笑
パトロンも常に注目集めてる人と関わりたいから切り替えも早そう。パトロンにも人を面倒みる目的や思惑がありますからね。
当たり前ですがお金を持っている人には良い人間、悪い人間、良い話、悪い話、全てがものすごく寄って来ます。
全てを見極める力があるからこそ、その人はお金持ちなんです。僕も身近にお金持ちがいるからその人を見てれば良くわかります。
お金に群がる人達を上手くコントロールしてますね。ここだけの話。
話は戻って、
以前プロスポーツ選手とのスポンサー契約や収益について知人の会社社長からとても参考になる話を聞きました。
そこの会社はサプリメントを展開しようとしてる会社でした。とある一流スポーツ選手とスポンサー契約したそうです。
確か契約金は2年契約ぐらいで2億円程でした。正直契約に至るまであまりに大きな契約の為少し悩んだそうですが契約に至ったとの事です。
その選手と契約したおかげでその契約後僅か2カ月足らずで数億円の販売契約が出来たそうです。
仮に自分がその社長の立場だとして、この契約のお陰で2年間で数十億円の売り上げがあったなら更に同条件かそれより上の条件で契約を続行して
更に売上を上げようとするか、もしくは更に知名度のある選手か芸能人と同条件以上の契約をして更に売上を上げようとすると思います。
仮に選手に2億円を投じて30億円売り上げた場合、すごく売上上げてると思いますしその選手は優良物件でしたが、実際は選手に2億円、
その選手を使って商品のCMやプロモーションに数億円、販売する為に社員を導入して数千万円、そもそも商品開発の段階で多額の費用を投じています。
元々の会社自体の維持費やランニングコストもあります。そして最後に法人税。簡単に書き出してもこの感じ、流れを想像して計算してみて下さい。
世の中ややこしいのです。
そして、そうなんです。スポンサー契約の話で言えば契約選手は歯車の1つで決して主役ではありません。
しかし消費者は広告に出ている選手のイメージで商品を購入したり、逆に商品イメージがその選手となったり正に主役に見えます。
でもあくまでも主役は脇役や裏方が居て初めて主役でいられます。
一般的な社会人で学歴もある会社勤めの皆さんでしたらこの流れは直ぐに想像がつくと思いますが、
子供の頃からサーフィンしかしていないプロサーファーにはこの感覚が欠落しています。
そしてプロサーファーとして収入を得て成功したいなら
アドバイスとしては2つのパターンがあります。1つ目は自身のサーフィンを極限まで高めて世界的に有名なサーファーになる、
コレは極論ですがワールドチャンピオンを狙えるまたはCTの中でも向こう10年間上位に入れる様な技術があれば世界有数のブランドと高額で契約出来る可能性があります。
あくまでも可能性ですので更に世界的に人気を集めなければなりませんが…
CT選手でもスポンサーが無かったり満足いく収入を得られない選手もいますからね。サーフィン以外の活動が必須な事には変わりはありません。
でもどちらにせよ最大限のサーフィンスキルは必要です。もしそんなサーフィンスキルを持っているサーファーが日本に存在するなら
様々な企業やお金持ちが完全にバックアップしてくれて確実にCT入りするでしょうね。
世界を転戦する充分なお金とワールドチャンピオンを狙えるサーフィンスキルがあるのですから確実です。
でもコレは世界でもほんの一握りのサーファーだけが可能な内容ですね。
もう1つは現実的で今はそんなに有名では無いブランドのサーフボードやウエットスーツなどと契約をしてそのサーフボードに乗り、
ウエットスーツを着てそのブランドの知名度を高めその企業に収益をもたらすサーファーになるそして収入を獲る。
今有名では無いブランドがそのプロサーファー自身の存在で超有名になればそのプロサーファーは一生お金には困らないと思いますね。
そして選手がどれだけの影響力があったかが分かりやすく明確に把握できます。
世界的なブランドも始めは無名でブランドが大きくなり多大に貢献したメンバーはプロツアー引退後もそれなりの立場と収入を得続けています。
どちらが現実的かは個人差があると思いますが2つ目の案の方が多くのサーファーが直ぐに取り組めますし成果を出し易いです。
プロライセンスの無いアマチュアの選手でもサーフィンで収入を獲る事が可能となると思います。選手生命は短いですからね。
お金を得られるプロサーファーの選手生命は長い人で10年ぐらいだと思います。
どのスポーツ業界でもそうだと思いますが、選手を引退してからの人生の方が遥かに長いです。
サーフィンする事だけに集中して学校も行かずに働きもしないで人生の大切な時間を浪費した人には地獄の日々が待っているのだと思います。
僕からみると稼げないプロサーファーはニートとさほど変わりません。
30才を越えてもなおアルバイトなどで生計をたてサーフィンばかりして自身をプロサーファーと言っている人に魅力があると思いますか?
サーフィンで収入を獲る為に努力を惜しまず活動する事をお勧めします。
あと少し気になる点、最近ではこぞって世界有数のブランドのサーフボードを買ってまで乗っているプロサーファーが多くいますが、
その行為はまさにそのブランドに在籍しているプロサーファーの影響でそのブランドの収益が上がっている状態です。
そしてその買っているサーファー自身もお金を払って宣伝してあげている状態になっています。
本土のブランド側からするとディスカウントせずに世界中の選手に販売出来ているので一般のユーザーに販売しているのと同じ事です。
そして選手層のサーファーは一般のサーファーに比べ遥かに多くのボードを購入します。1人が年間10本購入したとしてそれが100人、簡単に1000本販売出来ます。
サーフボードのスポンサーを受けずに乗りたい色々なボードを買って乗った方が良いが日本のプロサーファーに浸透しています。
実際は操作されてるとも知らずに。もし、少しでも安くそのボードを買っているのであれば日本の代理店が費用を負担しているだけの話です。
せっかくサーフィンが一般のサーファーよりも優れていてプロサーファーになったのに世界的プロサーファーに募金してるのと同じ行為をしています。
更に自身のSNSなどで宣伝までして。そこに気付かない人は募金し続けて下さい。その時旬のプロサーファーに募金し続けられます笑
お金を払う側と貰う側どちらになりたいですか?
プロサーファーも自分自身が影響力があるサーファーになるのか、影響を受けるサーファーになるのかで天と地ほどの差があります。
僕はこの事をよく情報を発信する側と受信する側と表現します。発信する側の数は少なく、受信する側の数は莫大です。
そしていつでも発信する側はお金を貰い、受信する側はお金を払います。
要は自身がこの△三角形の限りなく頂点にいる構図を作れない限り、多くのお金を獲得出来ない仕組みです。
それはサーフィン業界に限らずどの業界にも共通すると思います。
まずはプロサーファーとして収入を得たいならお金の流れを理解する事です。世の中お金の流れを理解出来たとしても簡単に収入は得られません。
ましてやスポーツを軸に多額のお金を手にする為には相当な努力が必要です。
プロサーファーはサーフィンが人より上手くて当たり前、好成績を収めるのも当たり前、更に他に何が出来るかどんな活動が出来るかで選手の価値が判断されます。
あくまでも評価するのは自分では無く他人です。評価する側の人間はいつでも冷静です。
スポンサーや企業からお金を貰える様に努力をするのも良いですし、自分のサーフィンを活かし自身で起業するのもいいでしょう。
要はサーフィンでどう稼ぐか、稼ぐ努力をするかです。今はいい時代です。SNSなどを通じて直接自分をPR出来ますからね。
昔ならメディアに出るまでも一苦労でしたから。全ては自分次第です。サーフィンで稼げていない人が多くいますが、一定数稼げている人もいるんですよ笑
そもそもが収入が得られていない状況でプロサーファーを語るのもどうかと思います。
いっその事、プロライセンスを発給するなら発給する側が収入基準も設けた方が良いと思います。
そうすれば必然的に稼げないプロサーファーは存在しなくなりますからね。そして海外にはサーフィンのプロライセンスは存在しません。
サーファーとしてサーフィンで稼ぎ生計を立てられればプロサーファーです。
海外でこの話をする時に日本ではサーフィンにプロライセンスがあると話すとみんな鼻で笑ってCrazyと言いますね笑。
大きなスポーツ業界ではプロアスリートの年収まで当然の如く公開されていますし、プロ野球の球団にいる3軍補欠あたりの年収300万円程度の選手を
みんなはプロ野球選手と認識しているのでしょうか?それでも多くの日本のプロサーファーよりは稼いでいます。もちろん業界の大小はありますが。
僕もシェイパーという立場ですが努力してますし、20年以上サーフボードシェイパー1本で生計を立ています。
僕も皆さんによくサーフボードシェイパーって夢の職業で好きなことを職業にして羨ましいと言われますが、努力は人の何十倍もしていますし投資もかなりしています。
好きなことを職業にして生計を立てながら更に飛躍して行くのは並大抵ではありません。
そんな訳でWRVを日本で有名にしてくれるサーファーは常に募集中です笑
我こそはって人連絡下さい。
そして、このコラムの内容を身近なプロサーファーに教えてあげてください。
でもこの話はお金に執着しろって話ではありません。お金ってただの紙切れですからね。
お金より大切な事は沢山ありますし、稼げる金額が人の価値を決める訳ではありません。要は志しです。でも稼げないプロサーファーはカッコ悪いですよね。。。
そしてサーフィンも誰よりも上手くそして魅了出来なければプロではありません。
日本でも誰もが憧れるカッコ良くて稼げるプロサーファーが増えれば日本のサーフィン業界も良い方向に進むと思いますよ。
栗原誠(MA.)プロフィール
アメリカ大手サーフボードブランドに在籍しワールドワイドに活動するシェイパー。
その経験から日本、海外の波は勿論、様々な体格のサーファー、
そしてあらゆるニーズに対応できる実力派シェイパー。
最先端のデザインを取り入れながら自分の形に反映させ、
ショートボードからロングボードまでオールジャンルでシェイプでき、
全てのモデルで乗りやすく扱いやすいボードだと定評あり。
<WRV japan>
Web:https://www.wrvjapan.com/
instagram @wrv1967_japan
<MA.>
BLOG https://shaper-ma.blogspot.com/
instagram @shaper_ma