こんにちわ!
脈々と続くこのスケート・コラム。不運にもコラムバトンを渡されて4回連載する事になった阿部周平です!
いきなりですが、最近僕が連続して今乗ってるデッキはKrooked SkateboardsからリリースされているZIP ZOGGER(ジップ・ゾガー)というデッキ。サイズは幅10.75インチ、長さ30インチ、ウィールベース14インチ。めちゃくちゃ太いのに短くて爆弾みたいな形をしていてカワイイ。そいつにACE Track AF1 77やTracker Tracks Dart184とかMFWなトラックを装着し、ウイールは56〜61mmあたりで97〜99Aとかのハード・ウイールをつけてガーガー滑ってます。幅はぶっといけどウィールベースが現行の一般サイズと変わらないのでオーリーや割と小回りの効く滑りも可能性としては消えないし(重いけどネ!)、プールやボウルなどのトランディッションでもワイド・トラックの高円周率を楽しめるセッティングでルードなチョロッツアンライフを送っています。
Krooked “Zip Zogger” マイナーチェンジしながも基本はこのロゴ・モデルでリリースされているが、ゲスト・アーティストが手がける2022年モデルも。国内での販売は春頃か
一部ですが海外でもこのデッキに乗る事を「Zoggin」って言ったり、その乗り手を「Zoggman」って呼んだりとメーカーの意図を超えて愛されてるのが面白い。今のところ毎シーズングラフィックは多少変わりつつも同サイズ同価格で市場に供給され続けているので、当分このセットを組み続けられるって所も気に入ってる。このニュー・ウェイブなサイズのデッキをセッティングするに至るまでには色々あって、前回までのコラムバトン執筆者でもある豊津くんのリクエストもあり、僕の連載は愛すべきこのポップなファットボイ「Zogg」を軸に書き散らかそうと思っております!
時は戦国時代・・・ウソ、去年の6月初旬あたり、肩の脱臼グセを治そうと思い2週間ほど入院して内視鏡を使った手術を無事完了しまして、この機会に少し乗り方を変えてみるのもいいかなと思い立ち、休業リハビリ期間中にインスタでワイド・デッキ専門アカウント@wideboiz などを楽しく眺めていたのですが割とプレミア感あるお値段や、レアな生産枚数もしくは輸入枚数で売り切れとか、イマイチヒットしない日が続きつつも、リハビリ明けにはまた滑る気マンマンで物色する日々を送っていたある日、友人のバキさんがインスタでレジェンドChico BrenesがZoggに乗ってる投稿を見て自分も買った!と。僕自身は回し系の滑りではないし端正なChicoにあまりピンと来なかったのですが、ワイドデッキででこんな滑りができるんだと彼のフリー・フォームに共感しつつ、インスタで #zipzogger ハッシュタグの茂みをかき分けていくと...
そこには派手ではないけどレイドバック感のあるスキンヘッドで肌の黒いスケーターが、あの足枷のようなブっといデッキで、インポシ、360オーリー、フリップの回し系、FSブラント、テールスライドからフリップアウトなどモダンな滑りに加え、ファスト・プラントやクラッシックなBSエアー、バンプからのFSグラインドなど、ルードかつスムースでめっちゃシブい滑りにすぐファンになってしまったのです!
Stefan Martinez Bump to FS grind
Stefan Martinez: BS 360°Ollie
アカウント名も @bonepugsand_harmony ってウェッサイ・チカーノのギャングスタ・コーラス・グループ通称「ボンサグ」のモジりだしこれは何かあるぞ…。 パグ犬を飼っているのか…子供が生まれたばかりなんだな… 奥さんもデッキ持ってんのか… などなど投稿から人物像を脳内組み立てしつつ、さっそく動画をキャプチャしてトラックとかウィールサイズとかセッティングをのぞき見してたけど、当然細かいライザーの厚みや彼の身長までは分からない...もう推測もめんどくなってDMで直接聞き始めたのがやりとりのはじまり。
彼の名前はステファン・マルチネス(Stefan Martinez 以下ステフ)。カリフォルニアはサンフランシスコ・ベイエリアの北、シスコから北東約50キロに位置する郊外都市ヴァレーホのローカル。9〜10インチ・オーバーのシェイプド・デッキと日本文化を好むヒスパニックとブラックのハーフ・ガイ。
Stefan Martinez FS Rockwalk Grind
Stefan Martinez BS Air
といいつつ!まずは30年乗り続けてたIndyからAceに乗り換えてみたけど、これが割とハードだった!Aceの新ラインAF1-77、シャープでめちゃかっこいいプロダクト・デザイン…。いつかは乗ってみたいと思っていたけど、INDYでも169から上のサイズは乗ったことなかったので未知の可動域に加え、そのクイックネスな動きとデッキ幅、テールの短さや形状が重なってオーリーヒット率が一時ものすごく下がった…。最初はノーマルがやわすぎる印象だったのでIndyから引き継いだBONESブッシュのハードを入れたけど、さらにクイックになってしまったので再度ノーマルに戻してやっとようやく最近こなれてきた。インディーの良い意味でのどん臭さは安定に繋がるんだなと再確認しつつ、キングボルトはルーズ感が欲しくて柔めに締めていたが、少しづつ締めていく悲しみのおじさん…もう根本的に乗り方が違うんだね...でも乗るんだよ!キーッ!
左:Ace Track AF1 77 動きもデザインもシャープで最高にビュー。
中:Ace Track Normal Bush ボーンズのフラット・カップ・ワッシャーは薄くて丈夫なので大も欲しい。
右:Tracker Trucks Dart 184 Ace 77と比べてやや長いが軽量。Indy215とほぼ同サイズ。
Zoggmanステフはライザーも1/4や1/2を使ってAce 66、77と色々な組み合わせたコンプリートを10台くらい乗っているぜ!と聞いて、先出の友人バキさんから譲り受けたTracker Dart 184(Indy 215とほほ同サイズ、軽量)のセットも組み立てて乗ってみた。話はそれるけどコレがとても調子良い。トラッカーは前時代の人気トラック・メーカーで、その後インディーがその座にとって変わった。ピポッドの角度が浅くメローな動きが往年の手練れ達からの評価も高く、いなたいレトロなアトミック調にすら見えるデザインもわりと気に入ってる。宮下のボウルではこれで滑っているけど、その安定性から1速アップした。んじゃIndyに戻せよ〜!と思うかもしれないが、あえてここは外していくマイルール。慣れないものに自分を慣らしていくのは新鮮な発見も多く楽しい。またすぐ戻れるし!
話は戻ってゾグマン・ステフにはザイオン君てまだ生まれたての男の子がいるんだけど、2021年末に誕生祝いとして日本限定ライセンスで作られたスヌーピー x スラッシャーのコラボTとサインペンのセットを送ったんだよね。インスタのストーリーズに上げたらなんだこれは!って。つい欲しいのか?送るよ!って言葉の弾みでも一度言ったら送らにゃって事で親子分2着買い集めてさ。そしたらそのお返しって訳でもないんだけど、写真にも写ってるミラーフィルム仕様の2021年モデルのZOGGを一枚送ってくれた。2022年1月現在も日米間の航空便は引き続き減少していて送料も高いから、それだけでもすごく嬉しいのに、さらにその荷物の中にステッカーやガムなんかといっしょにチェキかなんかで撮った彼の写真が入ってて、裏に「ジップゾグマン」ってボロいカタカナで書いてあるのを見たら、こんな時代のクソSNSも悪くねえなぁオイ!と。遠く離れてるけどスケ友が一人できたようでとても嬉しくて、ジジイのスケートボード熱がまた上がってしまったのでございます!
つづく