いきなり法律の話で申し訳ないが、ぜひ読んでもらいたい。平成15年に施行された自然再生促進法は、「過去に損なわれた生態系その他の自然環境を取り戻すことを目的とし国や地方公共団体の計画によるのではなく、地域の多様な主体の発意により、国や地方公共団体も参画して自然を取り戻すための事業が始まる、今までにない全く新しい発想の法律です。この法律が積極的に活用されることを期待しています」と記されている。
また、平成26年施行の改正海岸法には「海岸管理者は、海岸の維持等を適正かつ確実に行うことができる法人・団体を海岸協力団体として指定する」と。(詳しくはSFJのウェブのステークホルダー相関図をご覧ください) 少し想像力を働かせて、SFJが政府を補完する役割を持つ市民団体を目指している理由を理解してほしい。
3.11以降、SNSでは仲間のサーファー達の尖った政治批判が目立った。私だって勿論、国の対応に納得できない部分もあった。いや、正確には、自分の頭では処理しきれない、経験したことのない不安を誰かのせいにしたかったのだ。
SFJ主催「海を愛する政治家フォーラム」の趣旨に賛同して、国会開催期間中にもかかわらず永田町からインタースタイル会場まで足を運んでくださった馬淵澄夫衆議院議員は、あの東日本大震災から二週間後の3月26日付で内閣総理大臣補佐官(災害及び原子力発電所事故対応担当)に任命された人物であり、れっきとしたサーファーなのだ。
フォーラムで「自分も政治家として海を守りたい、守るために皆で声を上げて欲しい。しっかりと数をまとめて欲しい」と、そんな熱いメッセージが体制側から発信された。
国会議事堂
古来サーフインメディアは反体制主義を見せることで成り立ってきた部分がある。気がつけば環境保護活動イコール反対運動。取り囲み、中指を立て騒いだ挙句、成果に乏しく、体制に対する失望感と怒りだけが繰り返し残る。
時代は変わり、今まさにサーフィンは2面性を持つスポーツになった。そのきっかけはオリンピックなのか、キング・ケリースレーターなのか、まぁ理由はなんであれ、社会にインパクトを与える側面が十分に確立されたのだ。現在、私たちサーファーの感性や知性が必要とされている認識を、一人でも多くのサーファーに持って欲しい。
最近海で見かけるサーフキッズ。キラキラと輝く未来を夢見る子供達をみて、大人サーファーならば、自分たちの一人一人の立ち位置を、もう一度よく確認するべきだ。勿論、サーフィンとどう向き合うかなんて個人の自由なんだけど。セックス・ドラッグ・ロックンロール!カウンターカルチャーなんてもはや思い出話、若かりし頃のファッションや音楽を懐かしむ程度で。
中川淳プロフィール
1965年生まれ、横浜市出身、高校卒業後に憧れの湘南へ単身移住、23年前の1994年に不動産仲介会社「ティーズ・ハウジング」を設立した。以後、長年にわたって「海辺への移住、ライフスタイルとしてのサーフィン」を発信し続けている。
2016年に一般社団法人サーフライダーファウンデーションジャパンの代表理事に就任したと同時に、同法人の活動拠点を湘南へ移転した。