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コラム

吉武輝『第1回 出会いはおもちゃ』

2020/08/05 tag: 吉武輝

スケートボードと出会ったのは17歳の頃。

地元の隣町、塩浜にあった(現在は閉店)謎の店、ドージョー・チャクリキ。
本国オランダではキックボクシング界の老舗名門ジムとしてピーター・アーツなどを輩出した名門ジムらしい。
そこの一階にはスケートシューズがありえない価格で販売されており僕はその店に服や靴を買うために通っていました。

ある日、チャクリキの前を通るとドデカいバケツにゴミの様にぶち込まれたコンプリートセットが店前に置かれていた、なんと価格は1500円。中二心をくすぐるドクロが描かれたその板を迷わずレジに持っていき僕は初のスケートボードをゲットしました。

胸躍らせさっそく家の前の道路で乗るがすぐさま異変に気付く。
そのスケートボードは直進する事しか許されずベアリングもろくに回らない。本物のスケートボードを乗ったことが無い当時の僕でもこれがおもちゃのスケートボードという事をすぐに理解しました。そりゃ1500円。当たり前ですね。

無知の状態でおもちゃのスケートボードをゲットした僕はどんな技があるのかもわからないのでわからない事はググる。
僕が高校生の頃は既にYoutubeが普通にあってスケボーって検索すれば色んな映像が出てきました。そして「スケボー 神業」なんという安易なタイトルが付けられた一つの動画にたどり着く。それがロドニー・ミューレン。フリースタイルの映像でした。
それはそれは衝撃的でした。スケボーって色んな部分に乗れるんだなーって、ん、待てよ。この動きなら俺のスケートボードでもできるんじゃないか??そう思った僕はすぐさまいつもの練習スポットへ、そのガチガチの板はレイルスタンドなどには適していたみたいで無尽蔵の体力を持ち合わせていた高校時代の僕は夢中でスケートボードの側面に乗っていた。

このスケートボードにも乗りなれてきた頃の事でした。
進みの悪いこの板でもダウンヒルをする事はでき、スポットへ向かう道中の坂を下っていたその時。
路面の振動でナットが緩んだのだろうか、坂を下っている最中にトラックが分解。なすすべなく道に転がる。
バラバラになった足回りを当時何もわからない僕に修復する発想は無くその場でお別れする事になりました。

これが僕の初めてのスケートボード(仮)でした。

ここからは普通にスケートショップに行って本物のスケートボードを入手し、狂ったようなスケートボード漬けの毎日。
スケートボードばっかして大学やめて現職場のインスタントに拾ってもらってからもずっとスケートボードです。
飽きる事無く毎日毎日スケートボードの事ばっか考えてるアラサー男の全4回のコラムになりますのでどうぞよろしくお願いします。

 

吉武 輝(ヨシタケ アキラ)プロフィール
instant skateboardshop販売員

 

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