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コラム

福島大造『第1回 プロより裏方が向いてる!?』

2019/09/04 tag: 福島大造

Tenjin Banked Slalomを筆頭に数多くのイベントを長年重要ポジションでサポートしてくれてる松本浩からバトンを引き継ぎ、コラムを書かせていただく福島大造です。

その昔は、それなりに大会や雑誌等でプロ活動を続けていましたが、スノーボードライフ全体でいうと、純粋に滑るという時間を除くと、多くの時間を裏方として活動してきた。

1992年、雑誌でBakerのバンクドスラロームの写真に影響を受けた自分。その年に湯沢パークで国際大会が開催されることになり、その中でパイプやバンクドスラロームも開催する事になっていたのでどうしても観戦したく予定を立てていた。
そのころ通ったのは原宿にあった老舗STORMY。その日もふとSTORMYに立ち寄ると、観戦予定だった大会のSTAFF募集のチラシが。ムムム!お金を貰いながら特等席で観戦できる!?なんて最高なバイトなんだと思い即応募し採用決定。晴れて特等席での観戦が決まった。

バブル末期に行われたこの国際大会。予算もあったのであろう。世界中からスーパースターが来日。大会は非常に華やかな一方、パイプ造りはほぼ手作業。バンクは雪が足りなく林から樋を使って雪だしをし、毎日深夜までのハード作業でしたが充実の日々。前夜祭では、スーパースターからスタッフジャケットにサインの山。緑のジャケットが黒くなるくらい。さすがに上層部の人達に、やりすぎと注意を受けたことを覚えてるが、そのぐらい楽しいひと時でもあった。そして自分達が造ったものを世界のスーパースターが滑るという事に感激を覚えた事が、今に繋がってる気がする。

Fukushima Taizo photo
初イベント特等席

Fukushima Taizo photo
初イベントシャノンダン

Fukushima Taizo photo
初イベントロブモロー

あの大会での若き頃のテリエ。バンダナがトレードマークのロブモロー。キュートだったシャノンダン。存在感がやばかったダミアンサンダースなどなど、国内外のスターだらけだった。その中でもロブモローがかっこよく、シャノンダンが可愛かったから、大会終了後直ぐにSTORMYに行きMORROWの板を買った記憶が懐かしい。
あの時輝いていたテリエは、天神や大会やBakerで何度も滑りを観れてるが、ロブモローとは会う機会は無かった。数年前Legendary Banked Slalomで同じクラスでエントリー!
20数年ぶりに再会したロブ。感激でしゃべれない英語でロブにこの時の大会の話をしまくった。理解したかは不明だが(笑)現在もLegendary Banked Slalomには、ロブモロールールというのがある。ということで、数年に一度ロブもBakerに来るのだ。やる気の無い滑りだけど、早いんだよね!

この大会を仕切っていたのが、Kプロの佐藤さん。通称サトニーで業界では名の通った人。この社長に引っ付いて、AJSA、ISF、JSBA、SAJ等の大会スタッフとして大小の大会に携わるようになった。結果いつしか、自分が表舞台に立ちたいと思いパイプのプロを目指したが・・・

天神で圧雪車を運転しゲレンデメンテやパイプを掘っていた時、サトニーが企画運営したJapan Cross Game Mastersがスタート。情報が乏しいクロス。あったのは、サトニーが入手したダミアンサンダースが手書きしたクロスコースの絵だった。イメージを膨らませサトニーの指示で様々なコースを造った。しかし滑り手でもある自分にとっては、もっともっとコースを良くしたく、海外視察に行ったり、大会に参加しフィードバックに力を注いだ。結果ブームも重なり毎回大会の時には300人近い選手が参加するようになり、一時代が築かれた。しかしブームは長続きしない。スノーボードの楽しみ方もより広くなり、また人口の減少等で参加者も年々大幅に減ってきている。クロスに関してはかなり中心で携わってきた。無くなってしまうのは寂しいし、頑張ってる人も居る。何とか継続して行えないかと思い、理想よりも現実的なコースや方法で、試行錯誤しながらだけど何とかクロスの大会も継続開催をしている。いくつか開催してるクロスの大会でもプロの大会を開催しなければ、もっと自由に滑る時間も予算も増える。だから心の中でいつも格闘しているが、大会開催を選んでいる。心の中では滑る方を選択してるのに。それは今まで自分が通ってきた道を次の世代にも残したいという気持ちと、続けて欲しいという周りの声が、力となり踏ん張ることが出来、開催を選んでるのであろう。「継続は力なり」と常に思っている。もう少し踏ん張ればいい事あるかな!

Fukushima Taizo photo
クロス大会

今シーズンで名前がTenjin Banked Slalomになってから10回目の記念大会!
始めた当初はここまで大きくなるとは思っていなかった。
Banked Slalomを天神で開催するまでも長い道のりがあった。20年前からスキー場には打診をしていたがなかなか開催が出来なかった。スキー場のトップが変わり開催にこぎつけたのが11年前。そこから、うちら天神のボスである西田洋介とタッグを組み、原点回帰をメインテーマに永続的に続けられ、みなが笑顔になりえる大会を目指し、今の形になった。
当初は失敗の連続だったが、この大会に関わる参加者を含め全ての人の協力でここまで成長が出来ました。本当に感謝です。いろいろ大会を運営していますが、本当に特殊だと思います。これほど一体感のあるイベントはココだけです。
昨年のコースは、例年以上に楽しい反面、非常に危険なコースでもありました。様々な所であらゆる決断をしないといけないという、今までに無い状況。あれ程神経をすり減らしたのは初めて。一日中アイゼンを履いて、コースを上り下り。補修に救助。更にスタート位置の変更等、様々なイレギュラーな事が起こった一日。その瞬間瞬間を集中し動いていたので、一日の大部分の記憶が無いのですが、何度か暴言も。自分がイメージしていた参加者と実際の参加者のイメージに一部ギャップがありました。それに対して自分はかなり暴言を吐いていました。
時間が経ち、自分の小ささに反省の日々を送ってます。
仮に同じ事を話すにしても、もっといい話し方があったのではと。
自分がお手本にしている、Legendary Banked Slalomの同じポジションのグエンさんなら、こう話しただろうなと。彼女は、的確な判断と優しさがあるのです。だから毎年世界中からBakerに集まり、スタートエリアでグエンにハグをするのです。
自分も成長し、来る10回記念大会で皆が笑顔になれるように頑張ります!!

Fukushima Taizo photo

Fukushima Taizo photo

Fukushima Taizo photo
天神裏方

 

福島大造プロフィール
かぐらスキー場でフリーライディングをメインにしたスクールを営み、ゲレンデプロデュースも行う。育った天神平で国内最高峰のバンクドスラロームの大会を企画運営。クロスの大会からバンクドスラロームやチャリティー大会。様々なイベントを企画運営。今もなをフリーライディングに夢中で、国内外の良い場所を常に狙っている。

 

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