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 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2015/11/18  

LION HEAD
1999年横浜の同級生リーダー、ハンサムハセ、モジャによりお笑いトリオ"LION HEAD(ライオンヘッド)"を結成。現在芸能事務所”ノーリーズン”に所属。5回の単独ライブと毎月第一火曜日には横浜と渋谷にて自身主催のお笑いライブ"ポコポコ大作戦"を開催。 お笑いライヴをメインに活動する傍ら、音楽好きが功を奏し、ライブハウスやクラブなどの音楽イベントにてMCとしても活動中。
1回目 2015/10/7 『SURF MUSIC』
2回目 2015/10/21 『クソッタレ!』
3回目 2015/11/4 『SURF STYLE』
4回目 2015/11/18 『何が楽しいの?』

『何が楽しいの?』

始まったサーフィンライフ。
波と仲良くなりたくて、明けても暮れても海。
初めてボードに立てた日、嬉しくて彼女に報告。
呆れた面持ちで、ため息のように言われた言葉…
どうもです!
お笑いトリオ"ライオンヘッド"のサーフコラムは今回が最終回。
僭越ながら、わたくしハセが務めさせていただきます!
第2回の『クソッタレ!』で、僕のサーフィンとの出会いについてお話させていただきました。
波乗りの「自由であって、それでいて厳しい世界」に、僕はどんどんのめり込みました。
今回は、そこから始まった海浸りの日々だった中で、思い出深いお話をさせてもらおうと思います。
…と言っても、どちらかというと苦い思い出を綴りたいと思います(笑)

始めた当初、高校2年生だった僕が「いざ、車で海へ!」なんてことは、日本国からお許しがもらえません。
神奈川の内陸に住む僕はボードを担いで電車を乗り継いで、スタコラサッサと地道に湘南を目指しました。
サーファーを気取り、さっそうと改札を通ろうとした時です…「ダメだよっ!」と駅員さんの叱咤。
聞けば朝の7時~9時まではサーフボード持ち込み禁止…当時の東海道線はそんなルールがあったんです。
時計は7時を指したばかり…まだ波に乗れない僕は、電車にさえも乗れない…苦い思い出です。
高校3年生になり日本国からお許しがもらえ、
親父が所有するマニュアルの軽自動車を借りて「いざ、車で海へ!」。
ボードを助手席に乗せ、ブォーンと早道に湘南を目指しました。
サーファーを気取り、さっそうと横浜新道を降りた時です…
「ブウォーン・ブウォーン!」とエンジンの空吹かし音。
完全にクラッチ板がすべって車が前に進まない…
当時まだ運転に慣れてない僕は半クラの使い過ぎだったんです。
JAFを呼び、車は近場の修理工場へ…
まだボードを走らせられない僕は、車さえも走らせられない…苦い思い出です。
大人になり自分で稼げるようになって、
その当時に流行っていた念願のトヨタ"マークⅡバン"を購入し「いざ、車で海へ!」。
ボードをキャリアに積み、ピューッとこなれた裏道で湘南を目指しました。
サーファーを気取り、さっそうと国道1号線と平行する小道で交差点に差し掛かった時です…
「キィィ~!ガシャン!」と大響音。
飛び出してきたトラックの土手っ腹にドン!…
見通しの悪い道路を調子コイてブッ飛ばし過ぎだったんです。
エンジンルームはグシャグシャ、車は廃車同然に…
まだ波に当て込めない僕は、トラックに当て込んでしまいました…苦い思い出です。
台風の日に入れば、リーシュが切れて死ぬ思いをして…
その日は精神的にもやられて、仲間が上がるまで浜辺でヒザを抱えて体育座り。
急に掘れ上がるインサイドダンパーで巻かれて、フィンをお腹に当ててしまい流血…
新調して間もないウェットスーツも仲良くパックリ。
ビッグサイズのグッドウェーブなのにも関わらずワイプアウト、ノーズを眼に当てて角膜負傷…
数ヶ月の間、キャプテンハーロック状態。
耳栓で予防を怠ってしまった経年でのサーファーズイヤー。
好きだったテイラー・ノックスのハンドムーブとライドアクションを真似して、
全然似ても出来てもなく仲間に笑われて…あっ、これは楽しい思い出でした(笑)
…というように、まぁ~苦い思い出、まだまだ結構あります。
それでも海へ。
何故だろう…
…早起きしたのに、1本も波に乗れずに帰った日もある。
それでも海へ。
何故だろう…
…2週間ぶりの休日、疲労もピーク、会えてなかったため彼女も不機嫌。
それでも海へ。
何故だろう…
始まったサーフィンライフ。
波と仲良くなりたくて、明けても暮れても海。
初めてボードに立てた日、嬉しくて彼女に報告。
呆れた面持ちで、ため息のように言われた言葉…
『何が楽しいの?』
あの日の、人生で最初で最後になる「初めて波に乗った日」が忘れられなくて。
あの時の、サーフィンで初めて味わう「波に押される感動」が忘れられなくて。
そして苦い思い出を、楽しい笑い話に変えてくれる波に出会う。
…その1本を求めて、また海へ…
20年が経った今。
今なら、あの時の彼女に「楽しさ」を伝えられたかなぁ…
いや、サーファーの気持ちはサーファーにしか分からないか…
別れてはしまったけど、その元カノも今や1児の母。
旦那さんは生粋のサーファーだそうです(笑)

 

わたくしハセ、相方のモジャと共に書かせていただいたライオンヘッドのサーフコラムは、
今回で最後になります。すごく楽しく、良い経験をさせていただきました。
つたない文章と僕たちにおつき合いしてくださった皆様、
心からのお礼を申し上げると同時に感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
ここしばらくは暖かい時期しか海に行かないレジャーサーファーになってましたが、
コラムを書かせてもらって情熱も甦りました。
もっと皆様のように海に近しい男になりたいと、本気で思った次第です。
また皆様にお会いできる機会がありましたら、どうぞよろしくお願い致します!
それでは、次のサーフパーソンにバトンをお渡し致します~!!

surf columnLION HEAD
1回目 2015/10/7 『SURF MUSIC』
2回目 2015/10/21 『クソッタレ!』
3回目 2015/11/4 『SURF STYLE』
4回目 2015/11/18 『何が楽しいの?』
 
 
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