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COLUMN |
SURF COLUMN 2015/10/21 |
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『クソッタレ!』
人生で初めてのサーフィン。
伊豆は今井浜の海。
1日かけても、波は僕と仲良くしてくれない。
陽は落ちかけ、思わず出た言葉…
はじめまして!
お笑いトリオ"ライオンヘッド"のハセです。
ちょっとカッコつけて書き始めてみました(笑)
ここでコラムを書かせてもらえるとお話いただき喜びも束の間、
速攻で「不安の波」に襲われました…クローズアウトです(笑)
サーフィンは大好きだけど、何を書いたらいいんだろ…
PCの前で先人方のコラムを眺めながら数時間…
結局、サーフィンとの出会いと大好きになった理由を書いてみることにしました。
どうぞ、お付き合いの程よろしくお願いします!
僕が初めてサーフィンに挑戦したのは、盛りのついた高校2年生のゴールデンウィーク。
興味といえば女の子とファッションってな感じで、何かに打ち込むなんて硬派は捨ててた17歳。
友達が伊豆の今井浜付近に別荘を持ってて宿代は要らず、ここぞとばかりに大勢で小旅行。
その友達の兄ちゃんがサーフボードと
ウェットスーツを何個も持ってる、筋金入りバリバリのリアルサーファー。
もう捨てるしか道は残されてないようなボロいトライフィンと
浸水してくるフルスーツを貸してもらって、いざ海へ!
みんな初めてなものだからリーシュコードを手首に巻く奴、
ウェットのファスナーを前にして着る奴、
見よう見まねでドルフィンスルーするけど
出来るわけなくそのまま持ってかれて蛙みたくひっくり返る奴、と多種多様。
正直、運動神経にはかなりの自信があった僕は
「こんなん大して難しくないだろ、絶対乗れる」って気持ちを隠しながらトライ。
「あれ?あれ?何で?」
全然乗れない…
乗れないどころか、板の上にまともに腹這いにもなれない。
波には呑まれに呑まれ、髪の毛は顔に張り付き、
海水も飲みまくりで呼吸を急ぐ表情はもはや魚のボラ。
そんな中、僕らボラのコミュニティの間を美しくマニューバーを描き波を縫っていく友達の兄ちゃん。
…カッコいい!あの人に釣られたい!食べられたい!…すみません、話が訳分からない方向に行って(笑)
話を戻します…で、
その友達の兄ちゃんの姿やライディングも格好が良かったし
こんな風に乗りたい、乗れたらなぁと思うのはもちろんのこと。
でも何より、波に乗ってる時の表情というか眼光というか
間近でみるそれは真剣そのもので、何故だか急に悔しくなったというか…
大好きで小学校と中学校でやってたサッカーは高校に入ると遊びたいがためにやめてしまい、
だからといって真剣に遊んでたわけでもなく…
今にして思えば
「自分には真剣に打ち込んでるものや続けてるもの、胸張れるものがない」って情けなさが、
それを見て沸き上がったのかなと。
本当に気がついたらって感じで、
その友達の兄ちゃんが沖からインサイドに来たのを僕は追っかけて「教えてください!」って懇願。
そしたら、その友達の兄ちゃんが一言「100本乗れ」って。
言ってもまだ高校生、純粋な僕はバカ正直に乗るチャレンジの度に本数カウント、
みんなが昼ご飯のために海を上がっても続け…
腹減るわ、体冷えるわ、もうヘロヘロで、まぁ効率が悪い悪い…
初めてで全てパーリングは当たり前にしても、肩は鉛のように重く疲労はピーク…
思い通りに出来ない歯痒さ、悔しさもピーク…
それでも懸命。
そしてついに100本到達…
これだけチャレンジして1本もまともに立てない…
本当に悔しい…
僕に才能が皆無なのか or 激難しいスポーツなのか…
葛藤しながら陸へ。
人生で初めてのサーフィン。
伊豆は今井浜の海。
1日かけても、波は僕と仲良くしてくれない。
陽は落ちかけ、思わず出た言葉…
『クソッタレ!』
友達たちも友達の兄ちゃんも着替えて浜辺で僕をお出迎え…
友達の1人が「あまりに戻りが遅いから溺れてるんじゃねーかと思ったよ」と…
僕は負け押し気味な「おめーらとは根性が違うんだよ!バーカ!」って気持ちを隠しながら苦笑い。
海から別荘までの帰り道、
1番後ろを歩いてた僕に友達の兄ちゃんが一言「おまえ、上手くなるよ」って。
この日から、僕のサーフィンライフが始まる。
20年が経った今。
上手くなったかなぁ…
そりゃ始めた頃から比べりゃ上手くなったな…
今じゃ海に行って、友達とかに教えてくれって言われたら「100本乗れ」って。
自分が言えるようになって気がついたけど…
教える時間があったら自分が乗ってたいわ!って思う時に一言で済む最適なアドバイスだわ、これ(笑)
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