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COLUMN |
SURF COLUMN 2014/12/4 |
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『Meido no Miyage』
手頃なサイズのタウンサイドと世界中から毎冬修行の為に猛者が通うノースのOahu島、ここを少しコンパクトにしたMaui島、田舎なHawaii島&Kauai島、とHawaiiは常夏で豊かな自然を持つ素晴らしいところ。暖かく必ずどこかで波乗りができ、ブレイクの種類の豊富さと普段使うボードでも十分楽しめ、ガイドシステムが日本人には嬉しいBali。プロスポーツとして早くから取り組んできたサーフィン大国Australia。ビーチライフを楽しむ層の厚い素晴らしい歴史と文化を持つ、時間をかけて楽しみたいCalifornia。私はまだ行った事がないEurope等々、世界にはとても多くのサーフィンを楽しむ場所がある。パスポートを持って出掛ける旅は、当然ながら週末波を探して日本で過ごすのとはワケが違うダイナミックなものだ。
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縁あって行く事になったMentawai。その日の一番良い波を探す為に結構広い範囲を船で移動し、そこで寝起きをするボートトリップはある意味、旅の形の究極だと思う。信号無い、渋滞は勿論無い、陸地の全く見えない大海原をたった一艘の船が突き進んで行く。早朝眼前に広がる、探し当てた極上の波に興奮した仲間の奇声に目が覚める。そして船上からその仲間の波乗りを見ながら更に奇声を上げる!そんなとても素晴らしい旅である。
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全てリーフブレイクでバラエティに富んだ波達。いくつかのメジャーなポイントは混雑する事もあるが、誰一人乗られる事の無いバージンブレイクも沢山ある。自分達だけの貸し切りのポイントで、素っ裸でサーフィンをやったのは一昨年、当時52歳の私にとって生まれて初めての体験だった。電波も届かず携帯電話も使えない、世間から隔絶され解き放されたまさしくフリーダムな世界であった。
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職業surfer以外はなかなか行くチャンスも少ない所だろうか。我々日本人を乗せた船以外に、出会った船の旅人達も年配者が多かった。船の上で10泊の場合は約二週間、更に旅費も結構掛かるこの旅は、同乗するメンバー全てが本気でその気にならないと実現しない。現実に一年前からその本気度を互いに確認し合い、その日の為に一人でも欠員が出ない様に努力してゆかねばならない大人のSurf Tripである。怪我にも特に注意しなければならない。不可抗力で起きるのがそうしたものだが、ひどい場合は全てのメンバーにそこから先の旅を断念させる結果が待っているからだ。この時初めて出会ったメンバーも居たがこうしてひとつの狭い船で長い時間、飲食と寝床を共にし、極上の波を分け合った仲間、Boat Peopleは特別な関係であり私にとってとても大きな財産になった。
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便利なGoogle Mapsや情報が行き届いた昨今、未開の地は徐々に姿を消しつつある。ツアーとして成り立つところまでになったMentawaiだが、探究する旅のスタイルは格別だった。ここへ行くとみんなが詩人になれそうだな。それにしてもsurferは波乗りを通じてどんな場所でも深いレベルで楽しむ事が出来る幸せな人種、その一員としてやってこれた自分はとても幸せだと感じる。私の人生は半分以上周ったところだが、この先もずっと“冥土の土産”を求めて旅に出たいと思う。
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皆さんよい週末を
Have a nice trip!
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