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 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2009/8/5  
三浦安間(49film)
写真家、1978年生まれ。鎌倉をこよなく愛す地域密着型カメラマン。
サーファーのポートレイトを始めファッション、広告、エディトリアル、CDジャケットなど様々な分野で活動中。
鎌倉ふらふらしているので見かけたら声かけてください!お願いします!>
1回目 2009/7/1 『ほーむ』
2回目 2009/7/15 『なみ』
3回目 2009/8/5 『しゃしん』
4回目 2009/8/19 『これから』

『しゃしん』


私事ですが写真を撮り始めてからもうすぐ10年。

写真は今やサーフィンと同じ様に自分に無くてはならないものになっています。

たった10年だけど、それでも様々な被写体と出会い、ものすごい数のシャッターを切りました。

この間、引っ越しをして膨大な数のネガとかプリントを整理していて
久しぶりに昔の自分の写真を見たのですが、
考えさせられた事がありました・・・

少し話はそれてしまうのですが、
この10年でデジタル写真の台頭と進歩で、写真はものすごく変わったと思います。

デジタルは、今までのフィルムで撮る写真と違い、
撮ったものをその場で確認でき、
一眼レフなども今までの経験と知識が必要とされるプロの機材という認識から
より簡単に身近な存在になったのではないかと思います。

デジタルは現像に出すコストも時間もかからず、ダメなら何度でも見ながら取り直してみる。
さらには後処理も可能で、確実に失敗とストレスを減らしてくれています。

自分は最初に撮り始めた頃からずっとフィルムが好きで(特にカラーのネガフィルムが好きです)、
今でもプライベートや作品を撮るときにはカラーやモノクロのネガフィルムを使って撮っています。
ただ仕事に関して言えば、ほとんどがデジタルで撮るようになりました。
(意外とデジタルのシャープさや質感も好きですが・・・)


話は戻って、
最初に撮った自分のネガと今の自分のネガを見比べると、最初の頃の写真は本当にひどい・・・
どこかで勉強してきた訳でもないので、明るさはバラバラだし、フレーミングや構図もメチャクチャ。
でも一本を通して見ると、一枚、二枚くらい、今見てもびっくりする写真がある。不思議です・・・

その当時撮った今でも大好きな一枚があります。
地元の先輩の中村竜くんを撮った写真なのですが、
大学のときに行ったハワイで、バックパッカーに泊まっていたのですが、
最終的にお金が無くなりご飯もろくに食べられず、友達のところを泊まり歩いて、
それでも毎日が楽しくて楽しくて・・・そんな楽しさがめいっぱい伝わる良い写真です。
結局、この写真が広告に使われて写真の道に入ったので自分にとっては運命の一枚だったのかもしれません。
(もちろん前後の写真はメチャクチャです・・・)

こんなことを言ったら怒られるかもしれないけど、
その後も何度も仕事、プライベート問わず竜くんの写真を撮らせてもらいましたが、
好きという事で言えば自分はその時の写真が一番好きかもしれません。

自分の技術の向上とデジタルの普及で失敗が減り、
撮れば自分でも納得できる写真がだいたい撮れる様になりました。
でも失敗の中にある大当たりみたいなものが逆に減ってしまったような気がします。

今のサーファーがアライヤやバルサボードに乗るのも、もしかしたら同じなのかなって思いました。
最初にテイクオフした時の気持ちはもう今では味わえないし、
板も波乗りも行くところまで行ってしまって・・・
そういった進歩とは逆のところにある驚きと楽しさをもう一度。みたいな・・・

初心に帰る事の難しさと楽しさ・・・

自分ももう一度初心に戻って、
これからも大好きな海で大好きなサーファーという
これ以上無い魅力的な被写体を撮っていけたらなって思います。


surf column三浦安間(49film)
1回目 2009/7/1 『ほーむ』
2回目 2009/7/15 『なみ』
3回目 2009/8/5 『しゃしん』
4回目 2009/8/19 『これから』
 
 
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