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COLUMN |
SURF COLUMN 2008/7/2 |
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『本物のサーファー』
ハワイにはノニという臭いフルーツがある。本当に臭い。どれくらい臭いかというと、その辺のおっさんの足の裏よりも臭い。
そんな臭いノニファームでボランティアをすることから僕のハワイ島の生活は始まった。1日のうち、約6時間くらいはノニファームで肉体労働をこなした。来る日も来る日も臭いノニに囲まれて、ノニのために働いた。
そして、僕がサーフィンできる時間は、ほんのひと時であった。土がテンコ盛りに積んであるトラックの上にサーフボードとリーッシュコードを積んで、サーファーであるオーナーと共にサーフポイントへ向かった。そこはまさにパラダイスであった。オーナーも昔はバリバリのサーファーであったみたいで、かなりサイケな、オールディなショートボードを僕に貸してくれた。汗とノニの匂いでもう訳の分からない僕の体を、ハワイ島の海水は最高に癒してくれた。
ノニファームの仕事にも慣れ始めた頃、ここのオーナーがある宗教のかなりの信者であることが判明した。ちょっと面倒臭くなってきたし、何だか怪しげな感じもしてきたので、次のホストを探すことにした。そして、見つけたホストがこれまたファンキーな親父さんだった。エドという人物で、とにかくいつも陽気に歌を歌い、仕事はそっちのけでビールを飲んだり、歌を歌ったり、ウクレレを弾いたりしていた。そんなエドの周りにはいつも多国籍なボランティアが集まっていて、僕が到着したその日は、既に10名以上の人がいた。そして、その日からサーフィンライフが開花したのである。
何と、そこから歩いて20分でサーフポイントなのである。しかも1日1時間仕事をすればいいという超お手軽な条件。だから、僕は朝、昼、晩と1日に8時間くらいはサーフィンをした。そして、そこでようやく出会いました、ロコサーファーに!彼らと一緒にサーフィンの大会に出たり、一緒に年明けのパーティーをしたり、一緒にゴミ拾いをしたり、最高の時を過ごした。そんな彼らはこんな話を僕にしてくれた。「ある時、メインランドから数名のサーファーがここにきた。そして、彼らは僕らサーファーにお構いなしで波に乗っていた。で、僕らは彼らを海から出して、彼らにこう言ったのさ。『今は子供が海で遊ぶ時間なんだ。すまんが、彼らに波を譲ってあげてくれ』って・・・」僕はこの言葉を聞いたとき、本物のサーファーってこういう人を言うんだなぁって。彼がそう語る姿に、僕は素直に本物のサーファーを感じた。彼は自分たちを育ててくれたこの海を本当に大切に守っていた。そして、この海を次世代にも残すべき、今何をしなければいけないのか、そして、何をしてはいけないのかということをキチンとハートで理解していた。
そんなハワイ島での出会いが僕に1つの回答をくれた。
「美しい人が住む場所は美しい」
つまり、僕は今、辻堂というサーフタウンを美しい人と一緒にもっと美しい町になるように日々、励んでいる。そう、彼らハワイアンに教えられたように・・・。
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