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 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2012/10/3

 

渡邉雄太
カナダ、ウィスラーを拠点に活動中のプロスノーボーダー。
バックカントリーを主なフィールドとして、
HEARTFILMSのフィルミングを中心に活動中。
世界中にある手付かずの山で滑る事を目的とした、果てしない探検を繰り返している。
スポンサー:JONESS SNOWBOARDS, NORRONA, HESTRA, POC, ROJK,
DEELUXE,UNION, LADE, SPINY, DMK, SPINY, HEART FILMS
http://vimeo.com/44923210
1回目 2012/9/19 『アニマルスノーボーディング』
2回目 2012/10/3 『ヒューマン on the スノーボード』
3回目 2012/10/17 『Lost in fantasy』
4回目 2012/11/7 『十人十色』

『ヒューマン on the スノーボード』


こんにちは、前回に引き続き渡邉雄太です。
蒸し風呂の中で生活しているような、暑くてじっとりした夏も終わり、
朝晩が冷え込むようになって来ました。
冬も直ぐそこです。
冬の事を書くにしても、やっとイメージしやすい季節になってきました。
前回の記事では、動物的感性をフルに発揮し、本能に従って滑る
「アニマル」なスノーボーダーについて書かせていただきましたが、
今回は僕の周りで活躍する全く逆のタイプ、
より人間らしく、合理的な活動を目指す「ヒューマン」ティックなスノーボーダーを紹介します。

スノーボーダーなら誰でも持っている「滑りたい」という欲望や本能を上手くコントロールして、
コツコツと知識を増やし、技術を進歩させていくのが彼らの特徴です。
彼らは、先人が残した知識を学び、習得し、山で実践する努力を怠りません。
実践の体験を記録し習得した知識と照らし合わせ、論理だて結論を導き出します。
導き出した結論は後世に続くスノーボーダー達の指標となり、
彼らが新しい挑戦をするための貴重な材料になります。
知識と言う名の財産が積み立てられ、スノーボーディングの可能性が広がるのです。
そして、積み重ねられた知識が重みを増していくと、
それはもはやただの知識ではなく文化になるのです。
もしかすると、これまでにスノーボードの文化を作り上げてきた滑り手達は、
感性が豊かで自己表現を得意とする「アニマル」なタイプの滑り手がその殆どなのかもしれない。
規制や束縛ばかりの社会から飛び出して山の中を自由に滑りまわる「スノーモンキー」が、
その存在を主張することでスノーボードの文化は成り立ってきました。
しかしながら、日々進化する技術と比例して大きくなる怪我と言うリスク、
山を滑り続けることで必ず直面する自然の危険。
これらの問題と上手く付き合って、スノーボード文化がより発展していくためには、
先人の知識を学び、後世の滑り手が受け継ぐことができる知識を形として残していく事に精進する
「ヒューマン」ティックなスノーボーダーの活躍が必要なのかもしれません。
そして、個々に持つ「責任」と言う名の信念を胸に秘めて活動する、
ヒューマンティックでソウルフルなスノーボーダーを僕は尊敬するのです。
David Benedeck

David Benedek from ShredCore Magazine on Vimeo.

FineLine teaser


snow column渡邉雄太
1回目 2012/9/19 『アニマルスノーボーディング』
2回目 2012/10/3 『ヒューマン on the スノーボード』
3回目 2012/10/17 『Lost in fantasy』
4回目 2012/11/7 『十人十色』
 
 
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