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 COLUMN

skate columnSNOW COLUMN 2012/9/19

 

渡邉雄太
カナダ、ウィスラーを拠点に活動中のプロスノーボーダー。
バックカントリーを主なフィールドとして、
HEARTFILMSのフィルミングを中心に活動中。
世界中にある手付かずの山で滑る事を目的とした、果てしない探検を繰り返している。
スポンサー:JONESS SNOWBOARDS, NORRONA, HESTRA, POC, ROJK,
DEELUXE,UNION, LADE, SPINY, DMK, SPINY, HEART FILMS
http://vimeo.com/44923210
1回目 2012/9/19 『アニマルスノーボーディング』
2回目 2012/10/3 『ヒューマン on the スノーボード』
3回目 2012/10/17 『Lost in fantasy』
4回目 2012/11/7 『十人十色』

『アニマルスノーボーディング』


こんにちは、
Heart Filmsのディレクター、田島継二氏より引継ぎ、
今回コラムを書かせていただく事になりました渡邉雄太です。
僕はカナダのウィスラーを拠点として、
主にスキー場ではなく、バックカントリー、
つまり自然の山の中をフィールドとして活動しているスノーボーダーです。
具体的に何をやっているかと言うと、
仲間と一緒に山の中に入って行き、
山の地形(谷や沢、崖やセッピ、急な斜面、小さな凹凸)を探し当て、
その地形を利用してスノーボードで「こんな風に滑れたらかっこいいだろうなー」とか
「こんな風に滑ったら楽しいだろうなー」という事をイメージして
実際に滑っているところを映像という形に残し、自分らしさと言うものを体現しているのです。
YES, まさに自己満足ですね。
カナダで滑るようになって今期で12年目になりますが、
30歳男子、たったそれだけの事に自分の人生をかけています。

さて、今回はそんな活動をしているうちに
関わってきたマニアックなスノーボーダー達について
僕の視点で感じた事を書いていこうと思います。
僕の周りで活動するスノーボーダーは単純に分けると二つのタイプに分かれます!
動物的本能で活動し成長していくタイプと、
人間的理性を使って活動し成長していくタイプです。
今回は前者「アニマル」なタイプのスノーボーダーの活動について書いてみようと思います。
「アニマル」なスノーボーダーは、
空を飛ぶ鳥や、
水の中を泳ぐ魚と同じように、
雪山を滑る特殊な動物と化しています。
一本の板が彼らの足。
ソールで雪の質感を感じ取り、
エッジを鋭い爪のようにして雪面をしっかりと捉えて雪山を自由に滑ります。
山の中に元々住んでいたのではないかと思うくらいに山と同化して、
あらゆる危険を肌で察知しながら、どこに行けば楽しいかを瞬時に判断して滑ります。
彼らは厳しい自然の雪山で必死に生き抜いていく過程で、
山の中で起こりうる危険な出来事を察知する能力を養っているのです。
ほとんど、頭で考えるよりも感覚で判断できる能力があるのではないでしょうか?
感覚で判断すると言う事は相当な経験を積まなければできることではありません。
経験を積む過程でのリスクも計りしれない。
その代わり、感覚として身に着けている能力には殆ど確信的な意思をもった判断力が備わっています。
小さな起伏から大きな斜面まで、
あらゆる地形を遊び場所に変えて滑る彼らの姿は
躍動感で満ちていて、動きに迷いが無く、ダイナミックです。
そして何よりも楽しそうに滑る。
そんな「アニマル」、
リスクを背負った経験を重ね自由を勝ち取った「スノーモンキー」に僕は憧れるのです。
次回は僕が憧れるもう一方のタイプ、
人間的な理性をもって活動する「ヒューマン」スノーボーダーについてかこうと思います。



snow column渡邉雄太
1回目 2012/9/19 『アニマルスノーボーディング』
2回目 2012/10/3 『ヒューマン on the スノーボード』
3回目 2012/10/17 『Lost in fantasy』
4回目 2012/11/7 『十人十色』
 
 
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