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skate columnSKATE COLUMN 2013/12/4  
haroshi
アーティスト。使用済みスケートボードを使用し、新たな命を吹き込む。
2012年, HUF x DLX x HAROSHI の個展をLAのダウンタウンで開催。
HUFからはHAROSHIシリーズ、glassy sun hater からシグネチャーモデル、
DLXのREALskateboardとKROOKEDからデッキをリリース
2013年秋にUNIFUL X HAROSHIのデッキをリリース。
Berricsで開催されるBATBのトロフィーを2年連続で製作する。
http://www.haroshi.com/
1回目 2013/10/16 『はじめまして』
2回目 2013/11/6 『BATB6のトロフィーのこと』
3回目 2013/11/20 『サインのはなし』
4回目 2013/12/4 『アメリカと日本』

『アメリカと日本』

今回でコラムは最後になります。
いままでぼくの他愛もない話におつきあいくださりありがとうございます。
最後に僕が今までに感じてきたアメリカに対する僕の考え方を書きたいと思います。

何度かいろんなインタビューでもこの事を書いているんですけど、
15年くらい前に海風公園に友達と滑りに行った時に、
僕の友人が腕を骨折して骨が飛び出ちゃって(笑)、
すぐに救急車を呼んで、ちょっと遠い病院に行く救急車を追いかけて、
そこまで僕らがスケートボードでプッシュして向かっていた時の出来事なんですけど、
しばらくすると米軍のジープ二台がプッシュで車道を走る僕らを追い抜いて行って、
その時まだ若かった僕らは『ワッサーップ!』とか『ウエッサーイ!』(なぜ?)とか言って、
ジープを挑発してたら急にジープが低速になって、アメリカ人の軍人さんが窓から乗り出してきて、
やばいか?!やりすぎたか?(笑)と本能的にびびっていたら、
かなりまとまった量の葉巻をばらまきだしたんです。
それをダッシュで『やったー!』とか言ってみんなで拾いに行っているのを
軍人さんが見てなんかを笑いながら言ってて、
それが結構屈辱的で、
はっ!これはチョコレートか!やっぱり戦後は終わってない!なんて思っていたのです.....
ポッケを葉巻でパンパンにしながら(笑)
........と、なんとなくこの時からスケートボードって何なんだろう?とか、
なんで僕らにとってアメリカからくる物って特別なんだろうって思うようになって、
子供のころはなんか英語でプリントされてるTシャツは無条件でかっこ良く見えて、
意味なんかわかんなくってもかっこよくって、
でもひらがなのTシャツなんてださくて着れないなんて思っていて、
それはなんでなんだろうとか?
だってアメリカ人だって漢字とか渋いって思ってるのに、
別に自国の英語のTシャツを普通に着るでしょう?
日本がアメリカ化しているかと言えばそうなんですけど、
ちょっと自国の文化を卑下しながらアメリカ大好きというか、
そんなところがあるなあとその頃思ったんです。
ただ、日本のすごいところって最終的にはいろんな海外からのいい物を吸収して、
自国の文化と言えるレベルまで持って行く時があるところにあると思うんです。
例えばって言うときりがないけど、
例えばアメリカの古着が好きすぎて、
研究の末に作り出された復刻物とかは本当にすごいですよね。
だってリーバイスとかが作る復刻ものなんかよりも、
もっと当時に限りなく近い生地が今は岡山で作られてて、
アメリカの古着が好きな人が行くようなハリウッドの服屋さんには、
日本の復刻物に強いブランドの服がたくさん並んでいるし、
アメリカのブランドでも岡山の生地を使用したりしているですよね。
これってある意味すごく大事な事で、本物よりも本物になった瞬間だって思うんです。
ただ歴史の長さだけは勝てないんですけど、
あと200年くらいしたらデニムって岡山産が普通じゃない?
って事にもなりかねないわけです。
何がいいたいかって言うと、アメリカ人のまねをすんなって言ってるんじゃなくって、
アメリカから来たそのカルチャーが大好きで、もし骨までどっぷりはまっているのなら、
なんか一個でも彼らにあっと言わせてやりたいと思う訳です。
やっぱり基本のトリックはアメリカ人が作ってきた歴史の流れにある訳だし、
それを模倣するのがある意味僕らのスケートボードの基本な訳で、
それは抜きにはスケートボードを語る事はできないじゃないですか?
だったら僕らが作った新しい技なり新しい試み、スタイルとかを
彼らが真似しだすぐらいになったら本当にやばいですよね!
長い目で見てスケートボードの歴史年表があったとしたら、
そこにどんどん日本人も載るようになって、
最終的にはスケートボードの歴史って
昔はアメリカだったけど今は日本が中心だよね~みたいなことになったら最高なんですけどね~。
無理なようで無理でないのが歴史だし、一個前のコラムでも書いたけど
BERRICSでもCHOPPERさんOOSAKADAGARSが今すごく大人気だし、
宮城豪さんだってアメリカのスケートボーダーならだいたい知ってるし、
やっぱりフォーカスして続ける人だけが突破口を開いて行くんだなあと思う今日この頃です。
まあなんか最初から勝てない事を前提にやるって事が習慣になっちゃうと、
やっぱり1番にはなれないんですよね。
大人になると自分の事がとてもよくわかっちゃうから、なかなか言えないけど、
これからスケートボードを始める子供達には
『おれ、世界で一番うまくなりたい!』とかはずかしげもなく言ってもらいたいし、
そんな子供がわんさか出てきたらきっといろいろな事が変わり始めるんだろうと思います。
とりとめもなく書いちゃったけど、今はそんな事を思っています。
見直してみたら今回写真がぜんぜんないから見応えないなあ~(笑)

最後は僕が長年見たかったLAの消火栓。
きっと高いだろうと思ってたけど、やっぱカラーコーンより高いんです。
あこがれてるだけじゃ消火栓の高さもわかんないもんね!
それで....僕の次のコラムの担当者ですが、野坂稔和さんにお願いしました!
理由は僕自身がすごく野坂さんのファンでもありますし、
野坂さんが今どんな事を考えてるのか、どんな事を考えてきたのかとても聞きたかったからです。
野坂さんは滑りも本当にヤバいのですが、生み出すアートも、タトゥーも本当にかっこいいです。
今年はETNIESからリリースされた Nozaka collectionを目にされた方も多いのではないでしょうか?
今から本当に読むのが楽しみです。
ではではまた会う日まで!さようなら~。
haroshi

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1回目 2013/10/16 『はじめまして』
2回目 2013/11/6 『BATB6のトロフィーのこと』
3回目 2013/11/20 『サインのはなし』
4回目 2013/12/4 『アメリカと日本』
 
 
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