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COLUMN |
SKATE COLUMN 2008/9/17 |
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『4回もホールドアップ!!!』
スケートで海外に行った時って、何かしらのアクシデントに見舞われる事ってあると思います。
今回が最後となる俺のコラムは、危険な体験をしたことをお伝えします。
簡単に言うと俺は人生のうちで4回も銃を突き付けられた。
全てがテンションあがり過ぎて、まわりの状況を把握できずに招いた結果です。
しかしコラムを打っているってことは無事だったと言う事で悪運宜しい結果オーライです。
初めてのホールドアップ(銃を突き付けられる事)は、今から17年前の高校2年の時。
LAに遊びに行ったときに起きました。
当時はロスアンジェルス暴動が起きたまっただ中、チケットも安くなり行くなら今だ、という事で渡米。
しかし人種間の問題で人々の苛立ちがピークに達し起こったロス暴動で狙われた人達は白人、東洋人。
そんな中、よく行ったものです。
夜9時以降は人も出歩かない状態のLA.
暴動の後でお店の窓は割られ、銃創があちらこちらの窓にある。
放火され焼け焦げた店の壁。
映画のように闇夜の街に新聞が乱舞している。
VENICEビーチでスケートして、メルローズで買い物して、
大好きなバンドを見に行った俺がクラブを出たのは夜中の12:00だった。
興奮してた俺達は滞在しているホテルに向かうバスではなく、
停留所に真っ先に来たバスに、行き先も調べずに乗ってしまった。
誰も乗っていないバス。
15分がたち、ようやく間違ったと気付く。慌ててバスを降りる。
そこがどこかも調べもせずに、ただ本能の赴くままのテンションで。
降りた先は俗にいうゲットー地帯だった。
その時の俺は、多少危なそうだけど、
日本人なめんな的な気持ちで肩で風切って誰も歩いていない街を闊歩していた。
やべ~な、やべ~な、と事の重大さに気付きはじめ帰りのバス停を慌てふためき探す先輩達をよそに、
『どうにかなるっしょ』
なんて先輩の後ろを東洋ギャングにでもなったつもりで歩く俺がいた。
本当に誰もいない場所に差し掛かった頃。
2人組のメキシカンが乗る一台のボロ車がこっちを見ながら俺らの前を過ぎ去って行った。
俺も大和魂舐めんなよと言わんばかりでメキシカンの目をそらさなかった。
心の中で『日本人なめんなよ』ってかっこつけながら本気で思ってた。
『フンッ』行きやがった。ガンのつけあいしちゃったよ~
なんて、過ぎ去る奴らを見てたら、片側3車線の道路をゆっくり廻って戻ってきやがった。
俺の前で止まって、片腕を窓から出しながら、文句っぽい感じで何やら言い出した。
全然英語が分からなかった俺だけど、『金か?』
とにかくなめられたくはなかったから『はん?』って言い返した。
するとやっぱりマネーマネーって言ってる事だけはわかった。
金ないんだな~こいつらって思いながら、実際に俺も金なんて砂利銭ぐらいしか持ってなかったから
ノ~マネ~って薄ら笑い浮かべて答えた。
そしたら次はシガレットくれって、、、
タバコぐらい恵んでやっか、むしろ仲良くなってホテルまで送ってもらったら
ラッキーなんて思って、一本出して差し出すと、グワって全部を盗ろうとしたんで
『ふざけんな』って取りかえそうとしたら手を持たれてピタ!!!!!
俺の頭に銃が突き付けられている。
一瞬で俺が住んでる世界とこいつらの居る世界は違う。
そして俺はこいつら側の世界に居ると言う事を悟った。
何秒突き値けられてたかは覚えていない。
1秒か3秒かあるいは10秒か。
冷たかった銃口の感触は今でもしっかり覚えている。
ハッと状況を認識した俺は、『殺される』すぐに思った。
そんだけあいつらの目は死んでた。
NONONONONO,,,,,SORRYSORRY,ソーリーソーリー、ノノノノノ、ソーリー
この言葉しか言ってなかった事は、なんか覚えてる。
俺をロックし続ける銃口を見ながら一歩また一歩後ずさりをした。
映画のように銃を持つメキシカンの腕は横向きだった。
まだ銃は俺に向けられている。
俺は撃たれるんだなとか、、助かるかな、とかあの時はそんな事よりソーーリーーしか出てこなかった。
一緒にいた先輩は調子こいて会話をしてる俺をアホ臭く思っていたのか、
危険を感じていたのか、50mぐらい先を歩いていた。
調子こいてメキシカンと話していると思ってたらしい先輩が
『何してんだよ、ゴウ!!!』
ってこっちに戻ってきた。20m,,,10mと近付き、先輩は状況を把握した。
瞬間、くるっと廻って去って行った。
今思えば妥当な判断。
相変わらず銃口は俺の方を向いている。
20秒は向いていたかな?!
正直撃たれんなと思った時、メキシカンの車が動き出した。
銃は相変わらず向けられたまま、、、俺から車が離れ出した時、銃口は俺から離れ空に向けられてた。
助かったと思い、体を手で覆っていた俺はその動作を解除した。
パッ また銃が突き付けられた。俺は体を覆った。
今でも覚えている。再度突き付けたメキシカンの顔は笑っていなかった。
奴らにとって、日本人とか観光客とか関係ないんだ。
俺の動作に少しでも異変があれば、奴らの身に危険も生じる事になる事を、察知しながら行動してるんだ。
車は闇の中に消えて行った。
助かった。
足の先から頭のてっぺんまで武者震いがした。
俺はダッシュで先輩のもとに戻り、『なんで逃げんの!!!』
先輩は『当たり前だろ』、、確かに当たり前だ。
俺のイキガリで巻き込まれる訳には行きたくないしね。
ひとっこ一人歩いていないゲットー地帯、錯乱している俺は遠くに見えるタクシーに
ベンジョンソンより速い足で向かった事は言うまでもない。
そして運転手に助けを懇願。
運転手は、『ダメだよ、あんなとこに居ちゃ、1ブロック違いだけどあそこは最悪だ』って。
無事にホテルに到着し、日系人のオーナーにこの事を伝えると。
本当に無事で良かった、頭などを撃たれる事はなかったにしろ腕や足なんかは平気で撃つんだよ。
今は状況が、状況だからねって。
一人のくそガキが、スケートカルチャーの発信地アメリカで知識も良識もあわせ持たずに
興味と本能のまま出向いた結果、待ち受けていた銃社会アメリカの現実をリアルに突き付けられたお話でした。
あと3回銃を突き付けられたお話は、いよいよ開かれるインタースタイルにて、
出展する13mindまで是非足をお運び下さい。ジェスチャー付きでお話しします。
インタースタイルでお逢いしましょう。
最後に宣伝です。
PREMIUMの新作fall08と気合いのグラフィックPREMIUM JAPANモデルが入荷しました。
13mindのwebサイトで見て下さい。
http://www.13mind.com/products/premiumskateboards/index.html
コラムを読んで頂き、ありがとうございました。
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