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surf columnSURF COLUMN 2016/4/6

 

TAMAO(岩崎玉緒)
海をこよなく愛するヨギーニ、サーファー、パドラー、フリーダイバー。
ヨガプラクティスで培ったバランス感覚、アスリートとして鍛えたまっすぐな眼差し、サーファーとして大切にしている自然との共存を最大限に生かしたティーチングや体験型アクティビティを国内外で展開。“SUP YOGA”の日本のパイオニアでもありSAWARNA のSUPライダーを務める他、YMCメディカルトレーナーズスクールが主宰する「SUP YOGA指導者養成講座」のヘッドティーチャーとして講師の育成、安全かつ誰もが楽しめるSUP YOGAの普及活動に情熱を注ぐ。また全国のアウトドアイベントやフェス、国内外のヨガリトリートの講師を務める傍ら、【sn】super.natural、Sambazon、Axxe Wetsuit、Sawarna SUPなどのアンバサダーや、ヨガモデル、ヨガ本や雑誌の監修など、幅広く活動している。
1回目 2016/3/16 『サーフィンとヨガ』
2回目 2016/4/6 『サーフィンと旅』
3回目 2016/4/20 『Let's Paddling! Enjoy SUP Life!!!』
4回目 2016/5/18 『Ocean Life! Happy Life!』

『サーフィンと旅』


第二回目のコラムは、「サーフィンと旅」についてです。 
サーファーの皆さんにとってサーフトリップでインスパイアされた時間が
日常生活への大きなエネルギーになっているのではないでしょうか?!
私もその一人です。


まだ見ぬ世界を自分の眼で見て感じたい!
そんな好奇心の塊のような私は、20代の頃からバックパックで世界中を旅して来た。
サーフィンに出会い、波乗りを目的に旅するようになってから、
旅での時間がより一層濃厚で豊かなものになった。
気付けば旅することが今では仕事になり、なんともありがたいこと。
世界中に「おかえり」といってくれる場所が増えると、遠く感じた地球の裏側が急に近くなる。
そして旅の終わりには、また次のトリップのことをワクワクしながら思い描くのだ。



パプアニューギニアの村の子どもたちと。キラキラした瞳に吸い込まれそう。


今は、湘南を拠点に国内外の海に行き、
自然の中で遊ばせてもらいながら、その土地でヨガを教えることが生業になっている。
自分が望むスタイルでご飯が食べられて、サーフィンやヨガを思い切り楽しみ、
多くの人と関わり繋がれるって本当に幸せなことです!
こんなハッピーなライフスタイルが送れるのも、人のご縁に恵まれてるからでしかない。
心から愛する人達に囲まれ、今の私がある。
感謝感謝の日々です。


一年の半分以上は、湘南から離れ、ご縁がある場所に出掛けているわけですが、
私にとっての旅とは何か、旅で何を感じ、得たいのか、改めて考えてみました。


「旅」の目的やカタチは十人十色。
旅なくしては生きていけないほど、私にとっては旅が重要。



ニューカレドニアの虹色の空


旅する理由は大きく分けて5つ。
1つ目 旅は常識を壊し、進化できる
2つ目 旅は新たな挑戦
3つ目 旅をリアルに感じる
4つ目 旅は「どこに行くか」ではなく、「誰といくか」
5つ目 旅は出会い

  

1つ目 
旅は世界中の様々な歴史や文化に触れ、自分のちっぽけな「常識」をぶち壊してくれる瞬間に出逢えるもの。

自分の中にある当たり前という「枠」を壊すものにどんどん触れて
新しいインスピレーションを感じたい。
そうすることで視野が広がり、新しい自分になれる。
もっと心豊かな人間になりたい。
そのために、安定した日常に満足せず、新しい世界に果敢にチャレンジしていきたい。
そして死ぬまで学び続けて進化していきたい。


  


毎年開催しているバリ島ウブドでのサーフ&ヨガリトリートの様子



二つ目
旅は新たな挑戦。

人が踏み入れたことがない秘境やアドベンチャーな場所にワクワクセンサーが働きます(笑)。
安全地帯では学べないことが学べるし、それだけ驚きや感動が大きい。
挑戦しなくなったら人の成長は止まってしまう。
だから日常生活でも、グッドコンディションでない日も海に入って、その時のために体の準備を万端にしておく。

 



三つ目
旅をリアルに感じる。

旅のモットーは「郷にいれば郷に従う」こと。
旅先ではなるべく現地の文化にどっぷり浸かって、
それまでの自分のものさしは捨て去り、いろんなものを受け入れるようにしている。

自分のツアーやヨガリトリートを主催する時は別ですが、
プライベートで旅する前は、その土地のことを必要以上に下調べをしない。
なぜなら、外から見た一方的な価値観でその国を測りたくないから。
今の時代、ネットやTVを使って世界で起こっていることをリアルタイムで見聞きできる。
上手く利用すれば役立つし、理解した気になってしまう。

でもそれは「リアル」ではない。
その場所に到達するまで長時間かけ移動し、見て、聞いて、肌で感じ五感を研ぎ澄ます。
今をライブで味わうから心が震える。

旅すると改めて気付かされる。
いつもと違う環境に身を置くことで
世界にはいろんな人がいて、いろんな波があって、いろんな生き方や考え方がある。
そんな新しい扉を開き続けて、世界って美しいな、生きるって素晴らしいな。
そう感じた瞬間を、一人でも多くの人と分かち合いたい。

 



 

  


透き通ったニューカレドニアの青い海。
西表島の星の数。
温かい地元の人々。
逢えば逢うほど、好きになるバリ島。
生死と感じたインド。
本当に偉大な自然に触れた時、人間は怖いと感じるカウアイ島。
パプアニューギニアのウルルン滞在記。

まるでどこか違う星に来たみたい。
海面にイルカやウミガメがひょこっと顔を出し
最強の朝陽が登り、涙が出るほど美しい夕陽が沈む…
パワーあがる場所に来ると、思わず、熱い気持ちが込みあげてくる。
自然はハートのど真ん中を突いてくる、インスピレーションの泉。

こんなに美しい世界がこの世の中に存在するなんて…
サーフィンは私にとって海と対話するために欠かせない存在。
海と深く関われば、必然的に自然への謙虚な気持ちが芽生える。
自然と共に生きるのは、人間本来の姿だと気付く。

こうして旅先で出会った波や景色、人をふっと思い出したり…
心の中に、忘れられない風景があるって豊かなものですね。

 

 



四つ目
旅は誰といくか。

そんな風景を一人で見るのも良いけど、やはり仲間と一緒にどんな時間もシェアしたい。
だから旅は 「どこに行くか」ではなく、「誰といくか」が私の中では重要。
いつでも旅の目的はいろいろあるけど、結局のところ
大好きな人たちと、笑い合って過ごせるシンプルな時間が一番ハッピー!

気心が知れた仲間と行くガールズサーフトリップは、私の心のビタミン。
女性だけの旅は危険が伴うけれどそれを克服して、
逆境に遭っても、凹まない 「笑顔」 とお互いの 「思いやり」があれば大丈夫。
壁を乗り越える度、人間的強さや優しさ、柔軟な心が育まれる。

日本のように時間通りに物事は進まないし、安全でない場所もいっぱい。
そんな時は、旅すると なんくるなんさ~って 笑って済ませることが重要だって学ぶ。
(何を基準にして安全か平和かは一概に言えないけれど)
そして「Go with the flow」流れに身を委ねるようになる。
変化をオープンに受け入れることで、新しいことをクリエイトできる。

サーファーに限らずアウトドアでスポーツを楽しむ人は、人生の楽しみ方を知っていて、
正に「Go with the flow」な生き方をしている人が多いように思う。

大人になると知らず知らずのうちに、子どもの頃には当たり前だった
「純粋に何かを楽しむ」ということを忘れ、慎ましい生活に移行してしまいがち。
心のどこかでブレーキをかけ、楽しく遊ぶこと、大笑いすることが減り、
笑顔でいることよりもしかめっ面で過ごす時間も多いのでは?

私の周りの先輩レジェンドたちは、子どものように心底真剣に波乗りを楽しんで、
ガッハッハ!と腹の底から笑っている元気な人ばかり。
年を重ねれば重ねるほど、意識して「遊ぶ力をつける=サーフィンする」
この力が、猛烈に頑張れる日常へのエネルギーになるのだと思う。





五つ目
旅は出会い。

波乗りに出掛け、かけがえのない出会いが私の歩む道を照らし、導いてくれている。

世界平和とかいうと大げさだけど
旅をして、旅先で友達を創ること
それは誰にでもできる、最高の平和活動だと想う。

大好きな高橋歩さんも言っていたけど、
「海外に友達ができることで、その国の人々も自分と同じように家族がいて、
恋をして、仕事をしながら日々悩んだり、笑ったりしている一人の人間なんだ。
そんなあたりまえを肌で感じるようになる。
国と国ではなく、あの人と自分という、体温での繋がりを増やしながら
そのつながりが、何千、何万、何億という規模に広がったとき
自然にこの世界から戦争はなくなっていくと思う。」
私も正にその通りだと思う。

”One Love , One World”

 

上の写真は、パプアニューギニアへ女性8人でサーフトリップの行った時のもの。
アマゾンをも超える広大な熱帯雨林のなかに
手つかずな大自然と自給自足の原始的な村々が星のように点在する。
パプアのサーフィン史上28年目にして初の女性だけのサーファーグループツアーに参加。
300人を超す地元の人達の熱烈な歓迎が待っていた。
どこに行っても暖かく迎え入れてくれる地元の人たちの優しさと、
子ども達の眼の輝きや人懐っこさに、何度瞼が熱くなっただろう。

 

 

パプアは極上の波が待っているだけでなく、文化的な交流や学び、人生観を変えるような刺激に満ちた場所。
小学校に訪問して、折り紙やシャボン玉を一緒で遊んだり、日本語の歌を披露したり。
子どもたちも照れながらも綺麗な花でレイをプレゼントしてくれたり、
木に登ってココナッツを取って来てくれて飲ませてくれた。
ダブルテ村では、ひな祭りにちなんで女の子たちにサーフィンを教えました。
きゃっきゃっ言いながら遊ぶ姿は世界共通。みんな本当いピュアで可愛かった。

ここに住む人はみんな幸せそうに明るくのんびり楽しそうにやっている。
何が満たされいて、何が貧しいのか、それは一概に言えない。
パプアの人との出会いや仲間達と過ごした時間は、多くの気付きと学びをくれた。
出逢えってくれた全ての人に、心からありがとう。



これからも旅を続けながら、ヨガやサーフィンを通じ
まだ見ぬ未知の世界に飛び込もう。
世界中の人と繋がり、心地いいと思える生き方をとことん追求したい。

自分の直感を信じて、情熱をカタチにライフワークになるのは幸せ。
今、目の前で起こっているその幸せを胸いっぱい感じ

いつか死ぬときに、楽しかったことも、辛かったことも、全部ひっくるめて
自分が歩いてきた道を愛せるように。



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