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surf columnSURF COLUMN 2016/6/1

 

岡崎友子
パタゴニアサーフィンアンバサダー。
海の前で生まれ育ったが、16歳でウインドサーフィンを始め、大学に入ってからマウイに通い、90年代にはウエイブ年間ワールドランキング2位、その他入賞多数。ウインドサーフィンの他にもスノーボード、カイトサーフィン、サップなども初期の頃から世界の情報を日本に紹介している。
現在もマウイをベースにカイトサーフィンとサップを中心に風と波を追いかけながら旅を続け、インスピレーションをもらった人たちや場所、出来事について記事を投稿したり、ツアーやイベントで自然と向き合える経験をシェアする活動を続けている。
1回目 2016/6/1 『Blowin’ in the wind (風に吹かれながらの旅生活)』
2回目 2016/6/15 『道具を智恵と技術におきかえて』
3回目 2016/7/20 『The Wave I Ride 自分らしい人生の波に乗るために』
4回目 2016/8/3 『Words of wisdom 師から頂いた言葉』

『Blowin’ in the wind (風に吹かれながらの旅生活)』

初めまして、岡崎友子です。
普段はマウイ島を拠点として日本にちょくちょく戻ってきてイベントやツアーをさせてもらったり
世界各地のワクワクさせてくれる場所を旅しながら
いろんな人から教えや親切をいただき、人生の素晴らしさ、地球のパワーを感じています。
いつも困るのは肩書きを聞かれた時です。
以前はウインドサーファーとして大会に出て世界を回っていたので
プロウインドサーファーと言えたと思いますが(自分では意識してませんでしたが)
今ではウインド自体はほとんどやってない。
かなりハマって海より熱心にやってる時期もあったスノーボードもここ4年くらいできてない。
カイトサーフィンとサップをメインにやってますがそれで生活しているわけでもない。
ではメインの収入である文筆業、翻訳業が肩書きかと言われると
とてもとてもお粗末で(変換ミスだらけだし)ライターです、なんて言えない。
(書いてる内容については人に伝えたい、感動した出来事など色々いい内容をピックしてるとは思ってますが笑)
いつかインタビューされた時、編集の方も困ってオーシャンアスリートをつけてあったことがありますが、
アスリートどころか体の故障だらけでメインテナンスができてないそれこそプロ意識ゼロだし、
めちゃくちゃ偏った筋肉でランとかバイク、有酸素運動は全てアウト。
そんなわけでなんだか全て中途半端ではありますが、
それでも海に、山に、仲間との交流、自然からの学びには真面目に取り組み、日々試行錯誤しています。

結局道具や場所が変わっても求めているものは一緒で、
パワフルな自然の中に身を置くことで感じられる自分のちっぽけさ、
自分の都合では動かない自然の仕組みの中に身を置いて、いやがおうにも謙虚にさせられる。
そしてその大きな自然の一部である自分を感じられることなんじゃないかと思います。
そういうときに自分が生きているんだーって実感できる喜び、
溢れ出てくる感謝の気持ちが私のエネルギー源なのです。

楽しいことはたくさんあります。私は旅も大好きです。
でもサーフィンでも遊びでも旅でもただただ気持ちよく、楽しく、
すべてがうまくいくだけではなんだか強く印象に残らないのはなぜでしょう?
トラブルの連続、お金がない貧乏旅行、
あるいは大嵐でサバイバルを強いられたような旅の方が思い出に残っているし、
「あのときはまいったよねー」と繰り返し話題にのぼります。
波もそう、アウトに出てきたら思ったよりパワーがあって怖かったとか、
リーシュが切れて帰ってこれないかと思った、
急にサイズアップしてビビった、でもなんとか乗れた一本、
あるいはドキドキしながら出て行っていつもよりプッシュしたセッションなどは
一生その波の細かいディテールまでハッキリ覚えている。
それは多分その瞬間瞬間自分の判断力、スキル、精神力、体力すべてが試され、
必死に頑張ったという充実感があるからなのかもしれません。
私たちは便利な道具、そして情報に甘やかされすぎていろんな能力を退化させつつあるように思うのです。
持っていたはずの感覚や直感を取り戻したい、偉大なる自然に対してタフであり、賢くありたい。
そのためにも常に自然のパワーが人間に勝ることを目の当たりにさせられる環境に身をおきたいと感じるのです。

私がちょっと怖いと思いながら少しずつでも大きな波に乗りたいと願い、
自分なりに努力するのはそこなのではないかな?と思います。
これって完全に自己満足。でもそれでいいんだと思います。
「私いいじゃん!頑張ってるじゃん!」って思えればそれで十分、それだけで十分、
人と比べる必要も人と争う必要もない。
自然の中に身を置けば置くほど、そのありがたみを頭でなく五感すべてで感じることができる。
だから、これからも山でも海でも大いなるパワーに抱かれてもみくちゃにされたり、
押しつぶされそうになりながらへこたれ、ビビりながらも
「精神力と体力をすべて絞り出して一生懸命頑張る」ことを楽しんでいきたいと思います。

ウインドサーフィンがうまくなりたくて風に吹かれてマウイにたどり着き、
その後も風と波に翻弄されながら、旅を続けている私ですが、
子供の頃初めて買った洋楽のレコード、ボブディランの『風に吹かれて』の歌詞同様、
未だに自分の人生の答え、なんて全く見つかってません。
そして、もしかしたら「そんなもの見つからないよ」っていうのが答えなのかも。

私たちの遊び場であり、学校でもある、海、そして母なる地球に感謝!
Mahalo ke akua

photo:jimmie Hepp

photo:jimmie Hepp

surf column岡崎友子
1回目 2016/6/1 『Blowin’ in the wind (風に吹かれながらの旅生活)』
2回目 2016/6/15 『道具を智恵と技術におきかえて』
3回目 2016/7/20 『The Wave I Ride 自分らしい人生の波に乗るために』
4回目 2016/8/3 『Words of wisdom 師から頂いた言葉』
 
 
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