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COLUMN |
SURF COLUMN 2014/6/18 |
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田原 啓江
2001年JPSA公認プロサーファーとしてデビュー。
ツアー優勝経験もある息の長いトップ選手として活躍中。
女の子為のサーフィン大会やイベントも開催し、選手のみならず後進の育成にも努める。 |
1回目 |
2014/6/18 |
『メンタルを鍛える』 |
2回目 |
2014/7/2 |
『フィジカルを鍛える』 |
3回目 |
2014/7/16 |
『感性を磨く』 |
4回目 |
2014/8/6 |
『積極的に生きる』 |
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『メンタルを鍛える』
皆さん、こんにちは。田原啓江です。
2014年の今年は、私がJPSAの公認プロサーファーの資格を取得してツアーにデビューしてから・・
はや14年目のシーズンになります。
14年もの間、勝ち負けを繰り返してきた!と思うと自分でも驚きを覚えますが。
勝負の世界はサーフィンのスキルだけではなく、
自身の心の探求の道としても奥が深く、いまだにその探求の途上にいます。
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プロのツアーというのは自分の力を発揮するには到底難しい20分間という短い時間のヒートで、
どの予選ラウンドで敗退してもおかしくないという厳しい戦いの場。
「心・技・体」と言われるように、
練習でせっかく身につけた技術と体力を十分発揮できる精神力も重要な勝敗のカギになります。
さて、ところで皆さんは必勝グッズやジンクスを持っていますか?
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カツ丼を食べる、とか。
神社仏閣のお参り(私も大会会場の神社仏閣を見つけると、必ずお参りするたぐい!?)。
勝ち靴、勝ちTシャツ。人それぞれ。
ちなみに、カツ丼から言えば。
アスリート食としては前日にはグリコーゲンを蓄えられるパンやパスタなどがお勧めで、
肉などの消化に悪い重たいモノを食べるのは科学的な観点からはNGです。
さてその効果は、いかが知る?
ちまたには、多くのメンタル強化本が出回っています。
その場で簡単にできて面白いな、と思った方法は、自分を名前で「○○さん」と呼びかける方法。
自分自身を離れた視点から見つめることによって、
つらいときも嬉しいときも、ドラマのようにまた違った楽しみで見ることができます。
こうした視点を「メタ認知」といい、精神的に安定させることができます。
言葉には物事を客観化する働きがあり、
もう1人の冷静な自分の出現により平常心を保つ働きがあるそうです。
だから、ピンチに陥ったときは
「ヒロエ、落ち着け~!!!頑張れ!!今だ!!いけ~!!」と心の中で叫んでみる(笑)。
意外と効果がある面白いメンタル効果。
その他、インスタント瞑想法により
成功した自分をイメージすることにより精神が安定するとか、さまざま。
(←成功したイメージが簡単にできるなら、悩まない。笑)
団体スポーツなら、集団で無意識にやる「声出し」。
本人達は意識してやってはいないだろうが、
あれも一種のサイキングアップといわれる心理効果を促すもので、
明るい気分を作ることで脳内に快感ホルモン・ドーパミンが分泌。
脳の働きが活発になり、戦う意欲が湧いてくるそう。
ひとりで行う方法としては、鏡に向かってのシャドーボクシングが効果的(笑)。
WCTの女子のウオームアップで、やっている選手もいましたが
「・・・さすがにシャドーボクシングはね!?」って方には、
アップテンポの曲に合わせて手拍子を打ち、ダンスを踊るのもいいそう。
つまりは、ヒート直前までの座禅より、リラクゼーション→適度な興奮状態を作ることが良いそうです。
さまざまな「メンタルを鍛える」方法が巷に溢れています。
しかしながら、最近の私の思うメンタル・トレーニングの王道は、
残念ながら「何もない」というのが正直なところ。
正確に言えば、「何もない」のではなく、特別なことは「何もしない」。
あるオリンピック選手が
「日常に勝るメンタル・トレーニングはない」と言っていました。
つまり、勝利までの近道も方法もないということ。
いつものように起きて
いつもと同じ食事を取り
いつもと同じ音楽を聴いて
いつもと同じように服を着て出る
これを1つずつ確認していくことで脳は落ち着きを取り戻し、「いつもの力」を出せるそう。
どのメンタル本も、基本的には「いかに平常心を保つか」ということを唱えています。
・・突然普段と違うことをしても、普段と違うシチュエーションに慌てれば、なおさらに悪い(笑)。
アメリカの宇宙飛行士は、作業時に心拍数が100を超えることはないそう。
つまり、どのような状況であっても冷静さを保っていると考えられます。
それは飛行士達の資質ではなく、
プレッシャーの中で発揮すべき思考パターンを明らかにし、
それを何度もシュミレーションしているからだそうです。
経験であり、やはり身についた日常が大事ということ。
ここで結論は、内容のない(!?)お話のようになりましたが(笑)
つまりは月並みですが、「日一日、毎日が大切だ」ということです。
だから、
毎日のコツコツを続けること。
毎日毎日、1つでも続けることが大事です。
ヒート中も、やはり。
いつも出来ないことをやっても、出来ない。
いつも通りしかできない、というのが本音。
しかしながら。
「いつもと同じで良い」と思えたときに初めて勝利が転がってくる。
「その日、そのとき、特別なことをしなくていい」と思えるのは、
それだけでも大きなプレッシーからの脱却になります。
これが私の思う最強メンタルです。
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皆さんも、ここぞという勝負の瞬間に備えてメンタルを鍛え、
サーフィン、スポーツに関わらず、仕事、恋愛、人間関係においても、
あらゆる場面で勝利され、充実した毎日を過ごされますよう心からお祈り申し上げます☆
田原啓江
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