interstyle magazine
 COLUMN
surf columnSURF COLUMN 2013/5/22  
瀬筒雄太
親父の影響で10歳からサーフィンを始める。
半年後に中村清太郎君のライディングを見て衝撃を受け、ロングボードと出会う。
それからプロを目指し14歳の時にJPSA公認プロロングボーダーの資格を得る。
その後は千葉・太東に移住し国内外のコンテストに精力を傾けるも、
その最中でサーフィンに対する価値観が変わり、20歳の時に日本のツアーを退く。
現在は海外のトリップやフリーサーフを楽しむ傍ら、
プロ活動としてJoel Tudorが主催するDuct Tape Invitationalに参加。
1回目 2013/4/17 『ロングボードの持つ魅力』
2回目 2013/5/8 『第1回とのギャップ。アップエンドダウン。』
3回目 2013/5/22 『9’6』
4回目 2013/6/5 『From Bali』

『9’6』

9’5が2本。9’2が1本。それと新しくできた9’1が1本。
メインとなるクイーバーを今はこの4本でまかなっている。
9’6以上の長さのロングボードには久しく乗っていない。クイーバーの中にチョイスが無いことが主な理由だが、それでもそろそろ乗りたくなってきた。ロングボードのカテゴリーの基準として「9’0ft以上の長さのボード」という決まりがあるが、長さが9’6ftを超えると少し別の世界が見えてくる。別のロングボードといった具合。ノーズライドのセットアップや、ボトムターン・カットバッグのバリエーションも変わってくる。ロングボードの醍醐味を味わえる長さといっても過言ではないと思う。
だが実際には一般的に海に入っている人も見てもなかなか9’6ft以上の長さのロングボードに乗る人はいない。取り扱いの難しさが原因なのか、もしくは近年のコンパクトカーには大きすぎて積めないとかなのか(笑)。冗談はさておいても、ロングボーダーである以上一度は9’6ft以上のロングボードに乗ってほしいと思う。
自分がロングボードに目覚めたのはサーフィンを始めて半年くらいが経ったころ。ショートボードでサーフィンデビューを迎えたが、その後はファンボードなどに乗るようになり、最終的にはロングボードに乗るようになった。普通なら若者やキッズはショートボードがかっこよく思えたりやりたかったりするのだろうけど、自分にはなぜかそれがロングボードで―。当時まだ小さかった自分に、周りの大人たちはいろんなボードを乗せてくれた。その中にはVELZYシェイプで長さは11ft。アウトラインはシャープでグライドするには最適なボードだった。当時まだ11歳くらいだった自分には、それを操る術もなかったのだけれども、あの時感じたグライド感は今も鮮明に覚えている。何もしなくても板は滑っていくし、独特のフロウ感。薄っぺらなレールのスラスターでリップをするより、断然気持ち良くて優雅でくせになる乗り味だった。今でももう一度あのボードに乗りたいと強く思う。
9’6ft以上のロングボードの「大きい」というイメージはなかなか払しょくできないが、実は乗り方を変えるだけで、しっかりと楽しむことが出来る。波のコンディションを選ぶという気もするが、サンディエゴのライアン・バーチは自ら削る10’4ftの板でハンティントンの頭オーバーの波を見事に乗りこなしていたし。まとまったオールラウンドの板もいいけれど、9’6ft以上というある意味いぶし銀な世界もぜひ体験してほしい。

surf column瀬筒雄太
1回目 2013/4/17 『ロングボードの持つ魅力』
2回目 2013/5/8 『第1回とのギャップ。アップエンドダウン。』
3回目 2013/5/22 『9’6』
4回目 2013/6/5 『From Bali』
 
 
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