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skate columnSNOW COLUMN 2010/2/10

 

小林じゅんじ
1973/4/14生まれ 大阪府出身 血液型AB型 
身長&体重 164cm、55kg
1995年にスノーボードのプロに昇格。
ジャンルを選ばずオールマウンテンに活動の場を広げる。
毎年スノーボードキャンプを各地で行い、好評を得ている。
現在は大阪で妻と息子の3人で暮らしている。
スポンサー(スノー):SUN,Fifty Five DSL,I-Path,

1回目 2010/1/20 『一人旅』
2回目 2010/2/3 『一期一会』
3回目 2010/2/10 『スノーボードの本質とは』
4回目 2010/2/15 『Snowbording is not a sports』

『スノーボードの本質とは』

このコラムを書くのも今回で最後です。
そういえばカナダでのオリンピックがそろそろ始まるみたいですね。

何度も出る人もいるみたいで、
オリンピックが人生のすべてみたいな人もいるようですが、
僕は見るのも出るのもまったく興味はわかなかったです。


僕にとってサーファー、スケーターが雪山で始めたスノーボードのかっこよさや魅力は
オリンピックのように型にはまったところでは全く伝えることができないもので、
ファッションや競技に対する姿勢、アスリートと呼ばれること、
すべてがオリンピックとは逆の方向を向いていました。


もちろんオリンピックを否定しているわけではないのですが、
スノーボードという特殊なスポーツ(スポーツと言ってしまうことに問題があるのですが)、
特にフリースタイルはオリンピックの体質とは全く合わないものなので仕方のないことなのでしょう。


型にはめられてしまったフリースタイラーになんの価値があるでしょう?

本来サーファー、スケーター、スノーボーダーは反社会的な遊びです。
反社会的だからこそ、
ライディングや私生活を含めたスタイルが重視され、
多くのライダーの中から、リスペクトされたライダーがカリスマライダーとなり、
魅力的なスタイルを生み出していきました。

それを理解していない人たちが遊びを商売に替えスポーツにしてしまったのです。


しかし思うのは、オリンピックで知名度が上がって
スノーボードはメジャースポーツになったという人もいますが、
オリンピックによって増えたのは一過性のユーザだけではないでしょうか。

実際スノーボードにしても他のスポーツにしても、
オリンピックに影響される人は持続性がなく、すぐにやめてしまいました。 
しかもギアに対しても深くこだわらず、なんでもいいという考えの人が多数です。


そして問題はスノーボードをしたこともない人達が、
それらの人をターゲットに、
マーケティングやSPのデータだけでメーカーを乱立し、
デフレーションとライダーの大量生産。
そして使い捨てが当たり前になっていることです。


スノーボードを知らない人たちが何もわからないままライダーを獲得するのですから、
言わば商品の品質を解らないまま購入しているのと一緒ですので、
当然ながら、契約したものの、ライダーを使いこなせるはずはありませんでした。

そのような契約しっぱなし、結果以外に興味はなく、
活動はライダーの自主性に任せるというような姿勢はライダーの質の低下を招くことになり、
契約期間が終わればライダーのその後のことは知らないという
メーカーによるライダー使い捨ての姿勢につながっていきました。

たとえオリンピックに出ていても、そのようなメーカーではライダーは使い捨てにされるでしょう。


マーケットの広がりはお金も産みましたが、余計な物も産出されました。

プロとしてのプライドは否定され、もはや使い捨てになっているライダーたち。


しかし、これからのスノーボード界を背負う若いプロライダーやプロを目指しているアマチュアたちに
「スノーボードの本質とは」ということを考えて、
本当に横ノリが好きな人たちが楽しめるスノーボード業界を盛り上げていって欲しいと思っています。




snow column小林じゅんじ
1回目 2010/1/20 『一人旅』
2回目 2010/2/3 『一期一会』
3回目 2010/2/10 『スノーボードの本質とは』
4回目 2010/2/15 『Snowbording is not a sports』
 

 
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