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skate columnSKATE COLUMN 2015/9/2  
森中一誠(モリナカイッセイ)
京都を拠点に全国を飛び回って次回作へ向け日々撮影中。スケートボードに対してストイック過ぎる面とは相反して無類のスイーツ好きで地元京都では美味い和菓子屋巡りをライフワークとする京都スイーツ系男子代表。
2015年春にはLRG USサイトから自身のフルパートを公開。
http://l-r-g.com/blog/2015/03/25/lrg-japan-presents-issei-morinaka/
スケートボード専門誌TRANS WORLD,NO82では、12Pに渡る特集と表紙も飾る。
スポンサー:TEAM SUNFLOWER/立ち漕ぎクルー
BOARD WALK KYOTO/ NQS SKATE PARK/ OFFICIAL HAT/ LRG/ NIXON/ GIRL SKATEBOARDS/ NIKE SB/ ROYAL TRUCK / MOMENTUM WHEEL/ RUSH BEARING/ EBONY GRIP TAPE
Twitter:@issei_morinaka  Instagram:@isseimorinaka
Face book:https://www.facebook.com/morinaka.issei
1回目 2015/8/12 『地元京都とスケートボードを始めた場所』
2回目 2015/8/18 『映像作りの思い出』
3回目 2015/9/2 『フルパートへの道のり』
4回目 2015/9/16 『これからの僕』

『フルパートへの道のり』

まいど!!
前回のコラムの時から10日程しか経ってないのにどえらい秋めいて来ましたね~。
とか、なんか時節な書き出ししましたけど
ハートはメラメラ燃え萌え年中真夏の京都スイーツ系男子代表森中一誠です。
前回のコラムは如何でした?
僕の脳みそがオーバーヒートしかけたので2回に分けたんで、今回はその続きでも書きたいと思います。
ここを読んで下さってる皆様の中にはLRG本国USサイトから公開された僕のフルパートはご覧頂けました?

LRG Japan Presents Issei Morinaka from LRG Clothing on Vimeo.


前回、書いてた様に「自分のフルパートをアメリカから公開してもらう」って目標を掲げてみたものの、
当時の僕の手元にあるのは勢いと情熱だけで
鬼のバイト連勤で貯金しまくって手に入れた2台のカメラだけで
正直バッテリーの充電以外何も分からない状態。
そんな時にローカルスポットでドイツから京都に留学で来ていた
スケーター兼フィルマーのヨーナスと仲良くなって色々教えてもらいながら
また中~高校生の時の様に狂った様に撮影出来る環境が整いました。

ただ、何処から公開するのも決まってなく
締切もないし構成も何も決まってない状態でスタートだったので
「とにかく自分を育ててくれた環境で得意なモノから」と思って
1回目コラムにも登場したTラグビー場で自分の限界まで
マニュアル(ウィリー)トリックの撮影に没頭しまくりました。
中学生の頃から何千、何万回も練習していた環境なので
短時間で膨大なカットが溜まったのですけど、
どうしても1つだけ乗れないトリックが
“トレフリップtoノーズマニュアルtoノーリートレフリップアウト”
スケートボードに詳しくない読者の方には何かの呪文みたいですが
要は凄いデッキに回転かけてから段に乗って前足でウィーリーして
凄いデッキに回転かけて下りるって感じですかね? 
噛み砕いて日本語で書いてもお経みたいになってますけど(笑)
入り口が低くって出口が高くなってる段の構造でこのトリックをやったら
すぐ出来るのに、入り口出口ともに同じ高さなのが超絶難しくって
お決まりの僕の鬼頑固鬼拘りのハートに爆弾級の起爆剤投入されて
そこから微妙なメイクは何回もあったのですけど
自分が100%納得出来るまでトコトンこのトリックだけ1億本打ちを開始しました。
打ち込み開始して数日。
確か京都では大文字の日だったと記憶してますけど
1億3万56回目ぐらいでパーフェクトなのが乗れた瞬間、
何処で公開するも全く何も決まってないのに
僕のフルパート完成へのイバラの道スタートのスイッチが”カチっ”と音を立てて入りました。

ただ、毎度の如く拘り過ぎてただの数センチの段での1カットの為に
他のトリックの映像素材が膨大に溜まり過ぎて…(笑) 
このまま眠らせておくのはさすがに勿体ないので
公開させて頂いたのが1回目コラムで紹介させて頂いた
僕のショップスポンサーの周年記念作品の【DAN THIS】。
作ってくれたホモローさんは気持ち悪いスケヲタなんで
編集とか構成は全てをお任せしたんですけど(笑)
2人で何気ない時にどこで公開するも一切何も決まってないのに
「何かフルパート公開への野望の暗示でも入れよっか?」って話になって
同パートの最後の最後、1億本打ちしてる最中の僕のノーメイク(失敗)のシーンで
わざと終わるホモローさん曰くフランス映画みたいな後味残るみたいな作りにしてもらいました。
多分、このコラムで書かせて頂くまで誰も気付いてらっしゃらないとは思いますけど
あの動画完成を機に高校生の時の文化祭で味わった自分の限界越え、
観て下さる方々に驚きを与えたい熱に完全に侵された僕は
次の年まで1日も休む事なくヨーナスに尾崎淳、宮庄祐さん、ムーチュ、
レスケのマー君つかっちゃん、田中ヒデ君達と撮れる映像は全て収めて行きました。
転機が訪れたのは年が明けて3月頃。
僕のアパレルをサポートして下さってるLRGの日本の卸会社のN様から
「LRG USライダーがゴールデンウィークに日本にツアー来るから同行お願いします」
との1本のメール。
いつも動画チェックしてる憧れのプロ達と一緒に同行出来るチャンスなんて
そうあるものでは無いので二つ返事で参加をお願いする事にしました。
憧れのプロと一緒に滑れることで夢の様な気持ちで舞い上がってたのですが
よ~く考えてみるとカメラマン様や製作側のスタッフ様も
USサイドから一緒に来日されると聞いてたので
何のコネもなく意味なく掲げた目標を
もしかしたら達成出来るチャンスでもある事に気付いて
ツアー中は製作側の方々へ
僕…国語は1か2でしたけど英語なんて通知簿の評価すら憶えてないんで
モロ日本語しかもモロ関西弁で必死で食らいついて
「僕が撮り溜めた映像を観て下さいって」お願いしました(笑)
(ツアーの事も書きたいのですが…それはまた機会があれば)

LRG Skate Tokyo Weekend from LRG Clothing on Vimeo.

幸い通訳の方も居て下さったのでツアー終了後
情熱と産まれもったしつこさで映像素材を送りまくったのですが
言葉の壁もあるし…USはUSサイドの仕事もあるし忙しいのか
必死ぶっこいで送った結構長文のヘロヘロの英文の返事も「YEAH!!」だけ…。
たった4文字なんできっとダメだったんだろうと思ってたら
USサイドは僕の滑りを痛く気に行ってくれているってのを後から
通訳の方からのメールで知って無謀にも立ち上げた僕の目標、
USからのフルパート公開への道がトントン拍子で開けました。

しつこい様に僕は一回決めたら曲げないタイプの頑固者なだけで
スポンサー様の本当に手厚いケアあってこその目標達成でした。
今回は1つのカットだけに絞ってコラムを書かせて頂きましたが
Hのボコボコのウォール(壁)にトリのコンボトリックに…
あのステア(階段)に…あのハンドレール(手すり)にも…。
全行程1カット1カット全ての映像に同じ位の量の文章をかける位思いと
関わって下さった皆様への感謝の思いが籠っています。
正直、ゴールなんて何も見えてなかったんで何度も何度も
「ちょっとペース落としても誰にも怒られへんかも?」
って心折れかけた時もありました。
でも、プロとして、皆様に驚きを与えたいと思ってる人間として
やっぱり自分でそんな自分を許せずに常に120%いや150%で走ってやりまた(笑)
なので、皆様も行動を起こす前に絶対無理だなんて思わないで下さいね。
自分で描いたビジョンは例え無謀であっても絶対達成出来ます!!
何だか僕…熱ぽくなってしまいましたね(笑)
頑固者の森中一誠。
もちろん今現在も日本のどこかで全く熱量が下がる事なく撮影を継続しています。
既にいくつかのプロジェクトもありますし
使ってない素材をBロールとして公開させて頂く準備もしておりますので皆様ご期待下さいませ!!
ぼちぼち文字の多さで僕の脳みそもまたもやオーバーヒートしかけです(笑)
次回、最終回のコラムはこれからの僕の天望や新たな目標なんかについて
書かせてもらえればな…と思っておりますので次回も是非ご期待下さいませ!!
ほなお~きに!!

skate column森中一誠
1回目 2015/8/12 『地元京都とスケートボードを始めた場所』
2回目 2015/8/18 『映像作りの思い出』
3回目 2015/9/2 『フルパートへの道のり』
4回目 2015/9/16 『これからの僕』
 
 
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