interstyle magazine
 COLUMN
skate columnSKATE COLUMN 2013/8/7  

山西(ハマジ)卓也
大阪市在住
スポンサーはHEROIN SKATEBOARDS,SPOTAKA,COLORCODE,INFECTION
FILM http://whev.com
1回目 2013/7/3 『ミクロとマクロ』
2回目 2013/7/17 『OSAKA DAGGERS in LA』
3回目 2013/8/7 『VIDEO NASTY試写会 in LA』
4回目 2013/8/21 『スケートボード』

『VIDEO NASTY試写会 in LA』


さて、三回目のコラムは前回お知らせしたとおり、
LAで行われたHEROIN SKATEBOARDSの新しいビデオ”VIDEO NASTY”の模様について話したいと思います。

その前に、今回のこのビデオの中にパートを持つ、
OSAKA DAGGERS代表のチョッパーがどれだけこのビデオに懸けていたのかを話する必要があると思います。
撮影が始まったのが約3年前。
俺も撮影の手伝いをさせてもらったのですが、
いろいろな葛藤や苦難を乗り越えてきた3年だったと思います。
きっとこのコラムを見ている人は、
スケーターが多いのではないかと思うので、共感できる人も多いかと思いますが、
スケートビデオの中でパートを持つという事がどれだけ大変なのかという事。
しかも今回、ワールドリリースするビデオという事もあり、
世界の人たちがチョッパーのパートを見ることになる。
それは彼にとって、プロスケーターとして世界で闘っていく立場としては
チャンスであり、リスクであったという事。
今回のこのビデオで、世界を納得させることができなければ、
プロスケーターとして生き残ることが困難になる場合もあり得るからです。
スケートボードとは、何かのスポーツのようにルールがあるわけではなく、
トリックに関しても自由であり、制限されることがありません。
板の乗り方、使い方は、乗る人によって大きく変わります。
しかし、現在、スケートボードの歴史の中で、板の乗り方、使い方は概念化され、
同じような乗り方、使い方をするスケーターが多くなった時代でもあります。
よく考えてみてください。
今、スケーターのみんながやっているオーリーやフリップ、
その他当たり前にあるトリックはスケートボードが生まれたときからあったトリックではありません。
スケートボードの歴史の中で、誰かが最初に発明し、
それをスケートボードのトリックとして確立させてきました。
今のあたり前はあたり前ではありませんでした。
歴史が進めば進むほど、生み出されたトリックが当たり前になり、
トリックを生み出す進歩も停滞していきます。
ようするに、これ以上新しいトリックを生み出すことが難しいという事が当たり前になっているのです。
そんな中で、チョッパーは独自の板の乗り方、使い方の可能性を諦めることなく、
今回のこのVIDEO NASTYの撮影に望んできました。
今までのスケートボードの概念化された乗り方、使い方をブチ壊していく。
それは今までの自分を破壊していく事、
まさにSKATE AND DESTROY、DESTROY AND CREATEなのではないでしょうか?
常に新しいアイデアを頭の中で思考し、それを実際に物理的に形にする。
イメージ、アイデアだけが生まれても、それを形にする技術も必要であり、
何か新しいことを生み出すという事は、到底簡単なことではありません。
そしてその生み出したものを人に対して納得、感動させれるかどうかという事。
さらにそれをスケートボードの歴史に刻む事。
俺が見てきたこの三年間のチョッパーはまさにそれに懸けた三年だったのではないかと思います。
俺にとって近くにいる存在なので、
逆に本人にはこんな事を直接言う事はなかったし、
別に誰にいう事でもなかったのですが、
この場を借りてあえてこの三年間本当にお疲れ様でしたと言わせてもらいます。
まあ、そんな感じで撮影したチョッパーのパートが
どのように表現できているのかという事もすごく気になっていたので、試写会はすごく楽しみでした。
会場には多くの人、アメリカの映画館で行うスケートボードビデオの試写会、
ビデオで見るようなプロスケーターもちらほら来ている中で試写会は行われました。
映像が流れだした時点で会場には歓声があがり、
中々の盛り上がりを見せている中、あるスケーターのパートでの歓声が物凄く、
それがドラボンこと、宮城豪だったという事は伝えておきます。
彼もまた、スケートボードの使い方、乗り方に対しての概念を打ち破り、
誰もやっていないようなトリックの連発で、
観客全員と言っていいほど、驚きの声をあげていました。
あんなに盛り上りを見せるのは、同じ日本人としても誇らしげに思えました。
今までの彼の苦労や努力が報われた瞬間だったと俺は思っています。

そして気になっていたチョッパーのパートに関しては、
いろいろな自分の思いもいろいろあったので、
その瞬間では良いのか悪いのかわからなかったけど、
歓声も結構上がっていたし、トータルとしてはとてもよかったと思っています。
ドラボンに続き、今まで見た事のない板の使い方、乗り方を表現できていたし、
きっと記憶に残るパートになったのではないかと思っている。
きっと試写会の会場に来ていた人は、
この約3分間のチョッパーのパートやドラボンのパートに
どれだけ本人たちがエネルギーを注いだのかすべてはわかりえないとは思ったけど、
間違いなく、心を動かすことができたんじゃないかと思う。
ただ見て終わりの使い捨てのパートではなく、記憶の中に刻まれたるパートを残し、
それが世界で流通された事は、これからの日本のスケートシーンにとっての
窓口になる可能性があると思っています。
ぜひ、まだ見ていない人は見て欲しいと思っています。
もう日本でも発売されているので、
機会があればぜひ、同じ日本人が世界にぶつけた作品を見てくれたらうれしいです。
ちなみに試写会の会場の様子はこれで見る事ができます。
OSAKA DAGGERSの面々もちょこちょこ映ってます。

正直、試写会のときの事は一瞬すぎて気づけば日本に帰ってきてた感じでした。
あれでよかったのだろうか?もうこれだけ?みたいな感覚も正直あった。

でも、これだけではなかった。

日本に帰ってきて数日後、
スケートボーダーなら知っている人も多いTHE BERRICSというサイトで、
チョッパーのボーナスパートがアップされるという事になった。
実は、VIDEO NASTYのボーナスの中の、チョッパーパート(CHOPPER BONUS LONG Ver)と
もう一つのボーナスパート(LIFE+α NEW ORDER EDIT)を俺が編集したんだけど、
その俺が編集したチョッパーのパートがTHE BERRICSにアップされた。
このボーナスパート、この三年間かけて撮影したフッテージのほとんどを使っていて、
本編に使われなかった映像も多く使っている。
編集に対しても、チョッパーと協力して創り上げたパート。
そういう意味でも、よかったと思っているし、
THE BERRICSにパートがアップされるという事は、日本人として初めてだと思う。
まさに快挙だったと思っています。
さらにそのアップされた映像に「いいね」を押す事が出来るんだけど、
その「いいね」が現時点(8月5日現在)で約2600人。
この数によって週間、月間、年間の人気がある動画として常に紹介されるというシステム。
たぶん恐らく、今の所2013年の中で3番目か4番目に人気がある動画になっています。
もしも、一度このパートを見て、心から良いと思えたのであれば、
ぜひ、この「いいね」を押してもらえたらと思っています。
THE BERRICSという世界でも権威あるサイトの中で
日本人であるチョッパーのパートが年間ランキングで上位になるという事は、
日本に対しての世界の見方も変わると思うし、革命が起こせる可能性があるんじゃないかと思います。
アメリカ人が凄くて、日本人が敵わないと思い込んでいる時代を変える事が出来るきっかけになると思うので、
一度見て欲しいと思います。
http://theberrics.com/gen-ops/chopper-extended-cut.html
なんか試写会の事より、チョッパーの話ばかりになりましたが、今回はこれで終わります。
次回は最終回、俺が思うスケートボードをテーマに書かせてもらおうと思っています!
では、また次回!!

skate column山西(ハマジ)卓也
1回目 2013/7/3 『ミクロとマクロ』
2回目 2013/7/17 『OSAKA DAGGERS in LA』
3回目 2013/8/7 『VIDEO NASTY試写会 in LA』
4回目 2013/8/21 『スケートボード』
 
 
Copy right © INTERSTYLE Co.,Ltd All Rights Reserved.