『スケートボードに出会うまで』
前回まではGAciousの話をしてきましたが、今回はスケートボードに出会うまでの少年時代のお話。
20年前、中学生だった僕は何となく部活をやり普通に生活をしていた。
しかし中学生には大事な分岐点があった。
いや、当時の○島県い○き市の中学生(明確には小学生)には大事な分岐点があった。
“ヤンキー or 雑魚”
街全体がヤンキー以外雑魚状態。
特に僕が住んでいた小○浜は、地元の人間でも
「いつも空が曇っている」
「ゲーセンで目が合ったら終了」
「北斗の拳みたいな世界」
と言われていたほど、邪悪な雰囲気だった。
ゲーセンでは中学生がタバコをふかしながらスロットゲームをプレイ。メダルは子分が運ぶ。
パンチングマシーンは血だらけ、顔面凶器の舎弟は100円を入れるだけの役目。
○○高校では 「おーーい!1年生!」とベランダから2年生が叫ぶので1年生が顔を出すと
上の階から机を落としてくる。
ビー○ップ・ハイスクールの舞台はここだと思っても違和感がない港町。
この街で生活していると僕も友人もヤンキーコースにスムースインだ。
ヤンキー以外はモテない。
ヤンキーにならなければこの街では本気で生き残れない。
中学1年の時に彼女とお揃いで買ったMIKIHOUSEのトレーナーは、
友人たちには一歩リードしたところもあったが、ヤンキーとしての実績はまだまだだった。
このままで良いのか!?
しかし友人も最近は気合が入ってきている。
恐い先輩たちとのコネクションも出来てきた。
“ヤンキー or DIE”
もう、ここに引っ越してきたからには受け入れるしかないのか。
ある日、友人宅で一台のおもちゃのスケボーを発見。
暇な僕らは坂道を下って遊んでいた。
その時!
ガーガー!っとプッシュの音が!
しかも、通称 “木刀のRYUJI”と言われ、
小学校の時から「戦争だ!」と他校生にケンカを売るものすごく怖い人が
ThratherのCAPに古着のネルシャツ、Ghetto WearのカーゴパンツにAirWalkの540°で
僕らの前をガン無視で通過! 車道から歩道へジャンプした!
スケートビデオすら見たことがない僕らの前で、
ド不良だと思っていた先輩がオーリー。
僕の中での人生初目撃オーリー。
しばらく放心状態。
これだ!
俺もクールに車道から歩道にジャンプしたい!
こんな街で、あんな怖い先輩も乗っているスケボーは間違いない!
ヤンキーじゃなくても生き残れるんだ!
しかし、この直後に他の先輩が僕をシメたいらしいという情報が入ってきた。
もしかしたらこの街で一番とっぽいMIKIHOUSEのトレーナーが先輩の気に障ったかもしれない・・・。
よし、どっちにしろシメられるなら自分から挨拶に行こう!
犠牲者を何人か見てきている僕は恐る恐る先輩がいるサッカー部の部室に向かった。
最終回に続く
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