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COLUMN |
SKATE COLUMN 2010/2/15 |
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『リアルジャパニーズオリジナル』
第一回はバトンをもらってから締め切りまでが短かった事もあり、
かなりカオスな内容になってしまったので、
今回はテーマを決めた上で進めようと考えました。
で、考えた所、このコラムコーナーは毎回個性的な人ばかりで回している事に気がつき、
最も手っ取り早いのはそれを前提に自分自身の事を最大限押し出していく事が
必然的に読んでもらって有意義な物になるのでは思いました。
なので、俺は自分の事をナルシストだとは思っていませんが、
今回を含め残り3回は自分の事ばかりで進めたいと思いますので、そこのところ夜露死苦!!
まずは俺がどんなスケーターかという事の紹介から始めるべきかと思ったのですが、
このコラムはSK8業界関係者が見ているとの事なので、
スケート業界に長い間たずさわっている人ばかりだというのを前提に、
ある程度俺の事を知ってもらっているつもりで話を進めます。
(くどいようですが、天狗になっている意味でも無く話を手っ取り早くしたいだけなのでご理解下さい)
という事で、一般消費者層の俺のパブリックイメージは、
「色物」「オールド系」「パンク系」といったレッテルでくくられていて、
「キックフリップはおろか下手するとショービットも出来ない回し技には縁のないスケーターだ。」
という誤解がある事は想像するに難しくありません。
ですが、これを読んでくれている昔からのSK8業界を知っている人なら、
実は俺が最低限度の回し技も出来る事は知ってもらっているかと思われます。
ちなみに最近SK8に絡みだしたばかりの人で、話の流れが分からない人に軽く説明すると、
俺が15年程度前のAJSA公認プロに昇格した時には、
当時なりのニュースクール系と言われる様な回し技メインのルーティーンで
ちゃんと大会で結果を出した上でプロになっています。
具体的なトリックで説明した方がわかりやすいかとおもいますが、
その15年程度前の時点の大会本番中で
フラットバンクでスイッチで360キックフリップをメイクする程度の事は出来ていましたし
(勿論、レギュラーの360も出来た上でだと言う事と、
特にこだわっていた得意技でもないのでメイク率が高かったという意味でもなく、
漠然と技術力を想像してもらう上での一例です)
日常の練習レベルで調子が良い時などはキャバレリアルフリップ(pjラッドが得意そうな技)を
ノーリーからとフェイキーからをラインで繋げる程度の事も出来ていたので、
早い話、まあその辺にいる回し技がそこそこ上手い奴程度の技術はあったという事です。
なぜそんな俺が今の様なスタイルにシフトしていったかには
密かに興味深い人もいるのではないかと思うので今その真実を語ります(笑)。
というと大げさに聞こえますが、単に自分にとってその様なスケートは無意味だと気がついたのです。
プロになるまでは、自身にリミットなど引かず努力次第でどこまでも行けると思っていました。
が、日本中で何万人もスケートボーダーがいるであろう中、
いざ年間10人しか上がれないプロ昇格の壁を超えた時に、現実はそんなに甘くない事に気がついたのです。
それ以前は小柄(162cm)で身体的には不利な自分自身が唯一人に勝つ方法は努力量だと感じていましたが、
さすがにその10人の狭き門をくぐってきた人は皆同じように努力量が最低条件になっていて、
同じ努力量である10人の中でさらにトップに立つには物理的な限界を感じたのです。
全く同じ事をしても、体格の大きな人や先天的に跳躍能力に長けている人が見せる技のダイナミックさには
かなわないという普遍の事実に気がついたのです。
これは安易なあきらめの言葉ではなく、努力の意味を知り、
実践してきたからこそ現実に目を向けざるを得なかったという事です。
例えると、ボクシングのフライ級のチャンピオンが
同じ努力量で挑んでいるヘビー級のチャンピオンに勝とうとするのと同じ様なもので、
志はそこにあるべきだとしても現実を見据える場所は他にあるべきだという事だったのです。
そんな考えが生まれてからは、
例えば日本という国と同じく、資源がないなら知的財産で勝負するしかないという事に気がつきました。
パーク等の環境や体格でスタート地点から差のあるアメリカのトッププロに技術で勝つ事は難しくても、
環境や状況が整っていないからこそ、それをバネにアイディア勝負でクリエィティブな技を開発し
世界初の技を生み出す事なら日本人にも出来るはずだと思ったのです。
有名な歌謡曲ではないですが、
いくらナンバーワンを目指しても理想止まりで結果がナンバーテンになってしまうよりも、
オンリーワンを目指した方が自分に合っていると気がついたのです。
さらに批判を恐れずに言うなら、
俺に限らず多くの日本のスケーターはそろそろこういう思考も含めてスケートに取り組まないと、
いつまでたっても世界を相手に勝負が出来ないのではないでしょうか?
仮にスイッチ360キックフリップからマニュアルをしてスイッチ360キックフリップアウトが出来た所で、
そんな創造性の無い技は想定内でしかなく、
ほっといてもいつか誰かがビデオにおさめるであろう事が想像できてしまい、
俺にとっては始める前からすでにセピア色になってしまっていてそんな所に感動はありません
(勿論、技術力の向上の為に努力した事に対する敬意はありますが)。
例えば、プロフィールのCHOPPER-TUBEにもある“世界初”と銘打った動画の一部を見てみて下さい。
この動画に出てくるヘリコプターボンレスも俺のアイディアですが、
俺が知っている限り恐らく世界初だと思います。
仮にこの映像と別の日本人スケーターが撮影した
スイッチキックフリップバックテールtoスイッチキックフリップアウトを
ベリックス等の海外の有名サイトに送ったとしたら
話題になるのは恐らくヘリコプターボンレスの方ではないでしょうか?
だって普通に想像するに、
スイッチキックフリップバックテールtoスイッチキックフリップアウトを出来る人は
世界に何百人といるでしょうが、
このヘリコプターボンレスは世界で誰も開発していない可能性が高いからです。
ですが、折角の世界初のトリックも情報発信しているのが日本人の俺だというレッテルをもとに
日本国内では軽く流されてしまう事も想像できます。
でも、もし海外の有名サイトでヘリコプターボンレスが紹介されたとしたら、
恐らく逆輸入状態になり、
その時点でやっと日本でも噂になりだす事が想像できてしまいます。
ですが、15年前にはそんな俺の考えが受け入れてもらえなかった主体性の無い日本のシーンも、
今の若い人達の活躍を見ていると、
そろそろどうにか出来る良い時期に来ている気もしているのですが、
これを読んでいる業界関係者の皆様はどう感じているのかは興味深い所です。
もしこれを読んで共感してもらえる人がいるなら、またどこかでお会いした時には声をかけて下さい。
若者の未来は俺らのようなオッサンスケーターの手にもかかっているのかもしれません(笑)!!
See you next time!!
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