平成最後のあけましておめでとうございます。新年早々またカビ臭いお話にお付き合いください。
<暑い夏>
スケートボードが世の中に少し認知されたのか、自分にもウエアーのスポンサーが決まりあるイベントでは高校生が1日2万のギャラだったりMovin’On(石原 繁氏監修)創刊や海外からの大量の輸入だったり大会や週末のホコ天にもカワイコちゃんのギャラリーがワイワイ、ちょっとしたバブルみたいだった。
この頃から周りの友達の上達が目まぐるしく、自分より明らかな差が見え始め大人になっていく様に気づく。孤立感を覚える様になる。
真夏のある暑い日曜日、購入したばかりのHOSOIのハンマーヘッドのデッキをジャンランで真っ二つに折れ心も折れた…虚しさとともにトボトボ帰路へ、何だか空っぽになった。
「辞めちゃおう」
スケートボードから遠ざかる様になる。
ここからはだらしの無い生活へ。
MOVIN' ONにも掲載されました
ホコ天でfs5-0グラインド
<ラジカルスケート>
世の中は第2次スケートブームだった。当時Fineや月刊Surfer、宝島などでもスケートボードが採り上げられる始末。スケートボーダーがもてはやされているように見え、嫉妬を覚える。あれからどのくらいスケートボードに乗ってなかったのだろう。しかしそこには佐川急便とコカコーラ配達の台車の音で、今だ反応する自分が居た。情熱はまだチロチロと燃えていたんだね。
そこに同じ美術学校の造形科の奴がDOG TOWNのERIC DRESSEN持っていて、そいつの板借りて学食の3段ステアをOllieしたの。そしたら「お前スケートしてんの？」って。そしたらそいつが来週SCOTT OSTERのコンプリート組むからこれ売ってやるよって。
復活である。そこからそいつらと毎週末、ミニランプ行ったりジャブ池で修行する様になる。
やっぱりスケートボード超面白い！
トリックは辞めた当時よりOllieの高さやOllie Grab、No Comply、カーブトリックの進化が目まぐるしくまさにNew Schoolの夜明け前の様だった。この辺よりそろそろ90’sに突入。
<亀戸>
江東区へ家族と移住。亀戸の高架下(通称竪川)でローカルてっちゃん(堀米コラム２回目参照)・瀬尾くん(後のSSPのSの字)・ケンジロウ(館山)・慶太(池ノ上)・ゴメさんたちと出会う。
クウォーターランプ、ヒップ、カーブBOX、かまぼこカーブ、レールをみんなで造り仕事から帰って来て夜中まで滑り、週末は慶太のお父さん達と一緒に造ったミニランプ(慶太ランプ)で滑り夜からローカルで滑るとゆうルーティンだった。今考えると凄い体力。
上野ムラサキスポーツにて早坂くんが薦めてくれたBLIND Video Days(91年)。MARK GONZALESの滑りに凄い衝撃をうける。この頃よりトリックが複雑になってきて、初めて見るトリックに超難解。とにかく自分の年代でついて行くのが大変だった。
スケートボードを続けるってことはさ、カワイコちゃんを追っ掛けてはまたふられる感じと一緒なんだよね。昨日出来たじゃん、今日は全くもって出来ない。まるで昨日まで手を繋いでいたのに今日はピシャっと平手打ちみたいに。
しかも現代と違って当時はYouTubeもインターネットも無い時代。アメリカからの情報も何ヶ月も遅れトリックを解釈するにはThrasher MagazineやTrans World SkateboardingのHow Toのシークエンス写真をみんなで見てみんなで真似して「あーじゃ無い！こーじゃ無い！こうやるんじゃん！！」みたいなアナログ。ある時MATT HENSLEYの360°Ollieのシークエンス写真のコメントをケンジロウが翻訳してくれて最後になんて書いてあるのって？って聞いたら「まぁー気長にやってくれ」だって！適当な時代だよね。それでも雑誌見て解読して協力してやってきたんだよね。英語も全く読めないのに。
そして来る日も来る日もスケートボードの女神の背中を追い続ける。
ムラサキスポーツ竹下通り店でビデオ鑑賞
龍野 亨(50歳) プロフィール
skateboard中高年部
特技：せっかち 早寝早起き
座右の銘：明日やろうは馬鹿野郎
instagram：@radryuno
